甘粕大尉

角田房子 ちくま文庫

読みづらかったー。

甘粕正彦の謎の多い生涯だったためか、

いろいろと苦労して書いているのだろうけどね。

甘粕正彦の前半生は、帝国陸軍憲兵大尉で

関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件の犯人とされたこと。

その後の後半生は、満鉄の支配人で満州の影の支配者といわれていたこと。

これを事実はどうだったか、ということを書こうとしているのだが、

最終的にも、甘粕の不思議な性格のためか、不思議な読後感しかない。

大杉栄虐殺事件後、出所して後フランスへ一時

滞在していたときに、大杉栄と一緒に殺害された伊藤野枝

元夫の辻潤と一瞬会う、というエピソードがなかったけど、

このエピソード自体が本当の話なのかがよくわからないのだが。