薔薇窓(上)(下)

帚木蓬生 新潮文庫

1900年パリ万博期間を舞台のミステリ。

途中起こる殺人事件や誘拐事件よりも、

主人公・ラセーグがパリ警視庁付の精神科医なので、

当時のパリの様子だけではなく、

医学の状態も書かれているのが面白い。

ラセーグが日本びいきという設定も活かされているし。

一応主人公自身はハッピーエンドで話は閉じるが、

ラセーグのポリニャック夫人は逮捕されていないんだけど

それはいいのか? と不安も少々残る。