平林たい子の立場からみて
この三人の中では一番病弱だった、
たい子が一番長生きをし、こうして二人の評伝を書いたのだった。
当時としては自己主張がはっきりした女性ばかりで、
その生涯についても興味深いが、
本書は彼女たちの著作物についての評も入れているので
良い文学書案内にもなる。
林芙美子の著作の有名なのはほぼ読了しているし
その生涯についてもおおざっぱに知っていたが、
宮本百合子のはあまり出回っていないため、
名前は知っている程度だったので参考になった。
宮本百合子は、どちらかというと
上流社会出身のお嬢様で知性高いのに、
共産主義に走ったのだろうかのくだりは
もう少し詳細に書いて欲しかった。