定本 尾崎翠全集 上・下

尾崎翠/著 稲垣眞美/編 筑摩書房

昭和初期の幻の作家の全集。

以前『尾崎翠 ちくま日本文学全集』を読んで

その後も気になったので全集に手をつけてしまいました。

独特の作風が癖になるぜ。『第七官界彷徨』は今だとSFに読めるよね。

無名時代の少女小説まで読めて満足。

尾崎翠の生涯についての解題にて、作品を産み出すために、

畳が腐るまで座り続けて考え続けていたエピソードが印象的。

フラナリー・オコナー

「髪が抜け、歯がぼろぼろになるほど創作とは大変なものだ」

という言葉を思い出すのです。

(※これはたとえ話ではなく、オコナー自身の体験話)

クリエイトというのは本来、厳しく激しいものじゃないかと思う。

ところで、この分厚いハードカバーを

通勤電車の中で苦労して読んだのですが

文庫版がとっくに出ているのを読了後に知るとは……。

見つけたら買う予定にします。