吉村昭 新潮社
<収録作品>
『羆嵐』『ハタハタ』『羆』
『海の鼠』『魚影の群れ』『海馬』
動物と戦う人々たちのドラマを収録。
『羆嵐』これが読みたかったんだー。
大正時代にあった日本最大の熊害事件を小説化したもの。
かなり怖い話であるが、同時に熊撃ちの苦悩めいたものも
書かれている。
この話のはwikiでも記載されてるよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/三毛別羆事件
『海の鼠』もすごい怖かった。
まさに突然「鼠が湧いた」村の話。
1949年~1963年頃まで続いたらしい。
村人初め県職員(鼠課長とまであだ名される)の
鼠への戦いはプロジェクトXみたいな展開だけど、
決定的にこれ、というのもないというのが怖い。
鼠への天敵である猫も蛇もイタチ(しかもノロイぽい外観の)も
たいして役に立たないって……!!
この話の元もWikiにあった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ねずみ騒動
全ての作品も共通しているのは、貧しき農村や漁村が舞台で、
近代以降の時代なのにも関わらず、
『日本残酷物語』的世界観なのが印象的だった。