悲の器

高橋和巳 新潮文庫

著者のデビュー作。

最近は消えた作家扱いのようですね。

奥さんは『怒りの子』高橋たか子

語り手である世界的権威がある刑法教授の

女性スキャンダル事件が波紋となって

彼の生活に影響をおよぼしていく話。

1960年代の新聞ってゴシップネタも

取り上げるんだ……とまずここから嫌な気分に。

ここに出て来る人々は語り手含め

全て共感できない。ただただ重苦しい雰囲気で

読後感がよろしくなかったです。

ただ、人の倫理観や責任感ってなんだろうなあとは

考えさせられます。

読後、Wikiで確認したけど、語り手と同世代の人が

書いたのかと思ったら、31歳の時の作品とは驚きだった。

(39歳で亡くなってるんだね……。)