高村薫/著 新潮社
青森の福澤家一族を巡る物語の
三部作中二作目。
『晴子情歌』で東大卒業後に漁師になっていた
晴子の息子彰之が出家していた。
彰之が在住している寺に栄が訪ね
それぞれが自分の生涯とからめて1980年代の政治・仏教の話を
延々と語り尽くす。
タイトルの意味は後半になって判明する構成。
旧がな混じりの『晴子情歌』より読みづらいが
なんとかついていけた。
皆さんよどみなくすらすら語れるのに感心だ、
って口べただと話が進まないんだが。
最後のある人物の死の知らせからが三作目に
繋がると予測。話の途中で合田が出て来るから
福澤家と絡んでくるんだろうな。