くらやみの速さはどれくらい

くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)

エリザベス・ムーン/著 小尾芙佐/訳 早川書房

文庫版も出ております。ネビュラ賞受賞作。

「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」と評され」

というコピーありだが、

(ちなみに『アルジャーノン~』の訳者も小尾氏だ)

そんなコピーなくてもいい良作。

幼少期に自閉症治療が治せるようになった近未来。

年代的にに治療を受けられなかった

最後の世代の一人であるルウが主役。

ルウ(一人暮らしして結構大企業で働いている)の

日常生活描写が生き生きと書かれている。

自閉症が治ると自分が自分でなくなる?

という自閉症者たちの葛藤や一般人の反応、

他、近未来とはいえアメリカの障害者雇用に対する

企業の話とも読める箇所もあったりするのも興味深かった。