ペンギンの憂鬱

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

アンドレイ・クルコフ/著 沼野恭子/訳 新潮社

売れない作家ヴィクトルが新聞社の依頼で

死亡記事を準備するという仕事を受けるが、

その対象者が続々死亡するという

ソ連崩壊直後のウクライナの不穏な空気が漂う。

不況で動物園も動物を売ったりするというのも

現代日本では想像もつかないな。

日常話のはずがどんどん不条理世界へ移行する様が見事。

ヴィクトルのペットである

ペンギンのミーシャ

(って名前だとエロイカを読んだ後なので熊をイメージするけどね)

の存在が愛らしいのに悲哀にみちている。