天冥の標VII 新世界ハーブC

天冥の標VII 新世界ハーブC (ハヤカワ文庫JA)

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA

 

7作目。
前作記事で

>シェパード号は1作目の植民星
>メニー・メニー・シープを目指すのだろうが、
>ドロテア号も同じ星へ行くのだろうがその謎は次の話?

と書いたけど検討違いだった。

本作は、6作目の直後からで
大多数が子どもだけ生き残った漂流教室なみにハードな世界。
結論として、狭いけど世界を建て直せてすごい。
ここで生き残りの支配層が"救世群"と同様、
偽の歴史を創作して後世へと伝えている
ということで1作目と何か噛み合わないのはそのせいだった。

このやさしき大地

このやさしき大地

ウィリアム・ケント・クルーガー/著 宇佐川晶子/訳 早川書房

 

1932年大恐慌に見舞われたアメリカ。
日常的に虐待など起こる救護院から脱出し
カヌーで旅する少年少女の成長物語かつロードノベル。
プロローグで少なくとも主人公は生き延びられることは
わかっているがほぼラストまで無事に逃げ切れるか
不安で仕方なかった。
タイトルに反して自然も人々に厳しい。

天冥の標 VI 宿怨

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA) 天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA) 天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA

 

かなり長くなっためか巻末に過去分の主要用語・人物集が
掲載されていたのでありがたい。

西暦2502年"救世群"が人類に宣戦布告。
1巻目での謎の多い設定がここで回収されだす。
タイトル回収もしたし。
終盤で太陽系が沈黙する様子が怖い。
シェパード号は1作目の植民星
メニー・メニー・シープを目指すのだろうが、
ドロテア号も同じ星へ行くのだろうがその謎は次の話?

円 劉慈欣短篇集

円 劉慈欣短篇集

劉慈欣/著 大森望、泊功、齊藤正高/訳 早川書房

<収録作品>
『鯨歌』『地火』『郷村教師』
『繊維』『メッセンジャー』『カオスの蝶』
『詩雲』『栄光と夢』『円円のシャボン玉』
『二〇一八年四月一日』『月の光』『人生』
『円』

デビュー作から『三体』との関連作まで
収録された短編集。

やはり『円』みたいな古代中国の規模の大きさが描かれる話は
何度読んでも面白い。

天国の修羅たち

天国の修羅たち (角川文庫)

深町秋生/著 角川文庫

 

ヘルドックスのシリーズ完結作。

まさか3作目の主人公で物語の結末もつけるのが

警視庁捜査一課の女性刑事とは予想してなかった。

話の長さは短かったがその分内容凝縮。

 

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬の銀河

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河 (ハヤカワ文庫JA)

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA

 

4作目は3作目の数年後くらいだったが

本作は4作目から数十年後。

小惑星パラスで農業を営むタックと

反抗期の娘ザリーカの物語が中心。

それとは別に、実は過去作でもいまいち理解できてなかった

情報生命体ノルルスカインの誕生とその成長の物語も。

彼の敵も少しわかってきた?