2023-01-01から1年間の記事一覧

説教師

カミラ・レックバリ/著 原邦史朗/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿2作目。2作目までの訳が癖強い。エリカとパトリックが前作で恋人同士になったと思いきやエリカが臨月近い妊婦になっていて驚く。また、他シリーズ登場人物たちの形が本作で固まってき…

ボーダレス

誉田哲也/著 光文社 2作目でたびたび語られていた「ドミナン事件」の全貌。複数の出来事が起こって喫茶店ドミナンへの籠城事件へと集約。登場人物の女性たちそれぞれの悩みごとがこの事件をきっかけに新たな進路へと導かれる。

氷姫

カミラ・レックバリ/著 原邦史朗/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿1作目。このシリーズは4作目から読んでしまっていたがやっと1作目から読むことにした。訳者も2作目まで別の人である。1作目のためか、登場人物像がまだ固まっていない。パトリックの仕…

悪の五輪

月村了衛/著 講談社 1964年開催の東京オリンピックの映画の監督に錦田欣明という三流監督にしようと映画好きのヤクザ人見が魑魅魍魎とした政界・芸能界で悪戦苦闘する。錦田は架空の人物ではあるが、政治家や芸能人は実在の人物を取り混ぜている。歴史的に実…

アクトレス

誉田哲也/著 光文社 シリーズもの?前作があったらしく、その事件についての思い出のような描写あり。女性4人が女優殺人事件に関わっていく。登場人物や被害者の女優それぞれの家族とはなんぞや。姫川玲子シリーズやジウシリーズに登場していた捜査一課長の…

ゼロエフ

古川日出男/著 講談社 福島県郡山市出身の著者が福島の被災地を歩き、現地の人々へ取材するノンフィクション。小説と思って手を出したらそうではなくとまどいを感じながら読み始め最後までそんな状態で読了。

死神遊び

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿8作目。様々な辛い過去があってか仕事にやる気がないユスタが、35年前の一家失踪事件に関わると思われる事件をきっかけにクローズアップ。アンナが相変わらず受難続きだった…

オスカー・ワオの短く凄まじい人生

ジュノ・ディアス/著 都甲幸治、久保尚美/訳 新潮社 オスカーの一生よりも、彼の姉・母・祖母などの半生やルーツであるドミニカの歴史などの方に物語が占めている。オスカーはドミニカ系アメリカ人だが、1980年代のオタク(ナード?)で当時の日本人のオタク…

霊の棲む島

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿7作目。前作のラストの女性二人ってエリカと妹のアンナだったとは。しかし著者はどんだけアンナに試練を与えすぎなのだろうか。今回はDV問題がテーマであるが、事件の本筋の…

甦る男

イアン・ランキン/著 延原泰子/訳 早川書房 リーバス警部シリーズ13作目でMWA賞受賞作。上司への反抗的行為にて警察学校の再訓練コースへ放り込まれる。いつかはやりそうだよなあ、と思いきや実は悪徳警官をいぶり出すための潜入捜査だった。シボーンは本作…

首吊りの庭

イアン・ランキン/著 延原泰子/訳 早川書房 リーバス警部シリーズ10作目。この小説のエジンバラは快晴だとしても作品の雰囲気のせいかいつも曇ってそう。読む順序バラバラなため、登場人物相関が把握しづらい。今回は娘と友人が大変なことに。エジンバラでの…

人魚姫

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿6作目。5作目で小説執筆していた図書館司書のクリスチャンが『人魚』でデビューする。それをきっかけに脅迫や殺人事件が発生する。エリカが急に双子妊娠という状態になって…

フェイクフィクション

誉田哲也/著 集英社 表紙イラストごとく首なし死体発見から始まる。カルト的信仰宗教教団との戦い。著者らしいバイオレンス的表現多めの小説。警察組織からみて、他警察シリーズものとは世界線が異なっているみたい。

みみそぎ

三津田信三/著 KADOKAWA 五感シリーズ? 2作目。聴覚に関する怪異。三間坂萬造のノートに記される怪談が怪異を呼ぶ。作中作というか入れ子構造というか語り手がどんどん変わっていく怪談がループとなって三津田信三の既刊作品とも関わっていくとなんともわか…

ポピーのためにできること

ジャニス・ハレット/著 山田蘭/訳 集英社文庫 全編がメール、テキストメッセージ(SMSか?)、WhatsAppで構成されている異色ミステリ。イギリスの田舎町が舞台。アマチュア劇団の主催者の孫娘ポピーが難病にかかったとされ募金活動が始まる。そこから、殺人…

ぼくらは怪談巡礼団

加門七海、東雅夫/著 KADOKAWA 怪談専門雑誌『幽』の企画もの。怪奇もので有名な土地を訪問して毎度奇妙な体験をする。参加したことによって霊感持ちになってしまったらしきU君がなんだかかわいそう。

Qrosの女

誉田哲也/著 講談社 「Qros」CMに出ていた謎の美女とは?現実世界だとユニクロCMに出演していたという感じか。美女の正体はあっさり明かされるが、彼女のストーカー問題が出てきて解決しようと週刊誌記者らが奮闘する。結構えげつない取材をする記者たちがな…

女精神科医ヴェラ 倒錯の罠

ヴィルジニ・ブラック/著 中川潤一郎/訳 文春文庫 ノワール風味たっぷりな作風がフランスミステリらしい。タイトルは一部偽りあり。いろいろ多様性ある人物が登場している。シリーズで3作は出版されているが、邦訳は今のところこの1作のみでストップされてい…

きのう何食べた? 第21巻

よしながふみ 講談社 シロさん58歳。確実に年を重なる丁寧な流れ。食費が値上りで36000円になっているがそれでも安くおさめすぎでは。

踊る骸

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿5作目。エリカの母親がなぜ姉妹に冷たかったのかの謎が母親の幼馴染殺害事件をきっかけに明かされる。第二次世界大戦時のスウェーデンの立場の複雑さも書かれる。パトリック…

The 500

マシュー・クワーク/著 田村義進/訳 早川書房 ロビイストという職業がどういったものか主人公が就職してからのストーリーでわかってくる。そこからサスペンスものになって怒涛の展開へ。

死を哭く鳥

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿4作目。いきなり4作目だったので、シリーズ登場人物の人間関係に戸惑う。たぶんネタバレもあっただろうに思う。事故死と思われたが実際には殺人事件、悪趣味的なリアリティ…

アンダルシアの友

アレクサンデル・セーデルベリ/著 ヘレンハルメ美穂/訳 早川書房 スウェーデンのクライムミステリもの。出版社経営のスペイン人男性と知り合った女性看護師が自ら望まないのに警察やギャング組織などに狙われる羽目になる。ほとんどの登場人物が悪人ばかり。…

一人称単数

村上春樹/著 文藝春秋 <収録作品>『石のまくらに』『クリーム』『チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ』『ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles』『ヤクルト・スワローズ詩集』『謝肉祭(Carnaval)』『品川猿の告白』『一人称単数』 『ヤクル…

魔術師の匣 上・下

カミラ・レックバリ、ヘンリック・フェキセウス/著 富山クラーソン陽子/訳 文春文庫 女刑事とメンタリストのコンビの三部作一作目。癖強い二人のキャラクターが強烈で多様性を意識している?本作は、メンタリストのヴィンセント中心に話がまわっている。犯人…

スターリンの息子 上・下

マルティン・エスターダール/著 鵜田良江/訳 ハヤカワ文庫NV スウェーデンとロシアが舞台のスパイサスペンスもの。第二次世界大戦時からのスパイである「スターリンの息子」が残忍。主人公の恋人のパシーが速攻殺害されてないのが不思議なくらい。

碆霊の如き祀るもの

三津田信三/著 原書房 刀城言耶シリーズ。4つの怪談がある山と海にて隔離された村で起こった連続殺人事件。殺人事件は解決したかのように見えたのだがラストでぞっとしたホラー結末になるとは。

偽りの果実

イアン・ランキン/著 熊谷千寿/訳 新潮文庫 マルコム・フォックス警部補シリーズ2作目。スコットランド独立運動とも関連し25年前以上前の事件が捜査中の汚職事件に関わっていく。1作目もだが、登場人物表が少なすぎ。重要人物が出てないのはなぜ。シリーズ3…

監視対象

イアン・ランキン/著 熊谷千寿/訳 新潮文庫 警官を内部監査する部署に所属するマルコム・フォックスが主役のシリーズ1作目。リーバスもそうだったけど、フォックスも独自捜査をしがちであった。しかし、パブ通いで飲酒が当たり前なスコットランドにて断酒を…

赤虫村の怪談

大島清昭/著 東京創元社 愛媛県にある独特な妖怪伝説がある赤虫村にて連続殺人事件がおこるホラーミステリ。この作品で違和感感じたのは、クトゥルフ関係にまつわる伝承だとすぐ読者には判明するが作中人物は全くそのことに触れないこと。クトゥルフ神話が存…