読書の記録_国内作家あ行

冥の標 2 救世群

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ2作目で、時代が201X年と現代に。 パラオの島から発生した謎の疫病。 世界中でパンデミックとなっていく流れが 現実世界のコロナウイルスの流行と似通ってることに驚異を覚えた。 冥王斑から生還した患者がずっと保菌者…

妙なる技の乙女たち

小川一水/著 ポプラ社 SFお仕事連作短編集。 近未来のシンガポール沖にあるリンガ諸島で働く 日本出身もしくはルーツを持つ女性たちの物語。 お仕事小説なので失敗はしつつも前向きな女性たちが魅力的。 宇宙エレベーターと南の島という組み合わせが面白い。

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉〈下〉

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 全10巻の大作。 パンデミックものの名作でもあるらしいとのことで読み出したが、 全然想像もつかない物語で吃驚。 主要登場人物がほとんど退場してしまうし。 まだ話は導入部分で伏線巻。 植民星・メニー・メニー・シープでの圧…

路地裏のヒミコ

飴村行/著 文藝春秋 <収録作品> 『水銀のエンゼル』『路地裏のヒミコ』 中編収録。 久しぶりに飴村作品を読んだのだけど、 そうだった登場人物たちは大抵アクが強いのだった。 『水銀のエンゼル』が途中まで主人公がリア充で なにこれ? な違和感があった…

派手な砂漠と地味な宮殿

岩井志麻子/著 祥伝社 同じ年だが、全てが正反対の アラフォー女性二人の奇妙な友情物語。 正反対だけど、二人とも内面がパワフルで 勢いがあるので友情は続いてほしかったが 最後に決裂してしまい残念。

あちらにいる鬼

井上荒野/著 朝日新聞出版 著者の父親である 作家、井上光晴と母、瀬戸内寂聴との三角関係を小説化。 母とみはる(寂聴)の目を通した父の姿。 生々しくて時は凄絶感もあるが文章自体は淡々としている。

炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークXVII

石田衣良/著 文藝春秋 パパ活、ぶつかり男、デリバリー配達人、ネット炎上、 あとコロナの世の中、鬼滅の刃やら呪術廻戦など 時事ネタがこれでもかと詰め込まれた シリーズ17作目。 マコトやキングたちは歳を取らずの状態だが 社会状況は現実とリンクしてい…

食卓のない家

円地文子/著 中公文庫 この時期に新版が出たのかと思ったら あさま山荘事件がちょうど50年前に起こったからだった。 作品はあさま山荘事件をモデルとした 事件の犯人の家族の物語。 加害者一家となった人々をとおして 社会と個人とは何かを書いているが 現代…

宿で死ぬ ――旅泊ホラー傑作選

朝宮運河/編 ちくま文庫 <収録作品> 『三つの幽霊』遠藤周作 『屍の宿』福澤徹三 『残り火』坂東眞砂子 『封印された旧館』小池壮彦 『湯煙事変』山白朝子 『深夜の食欲』恩田陸 『カンヅメ奇談』綾辻行人 『螺旋階段』北野勇作 『ホテル暮らし』半村良 『…

逆島断雄と進駐官養成高校の決闘

石田衣良/著 講談社 中二病ぽい設定というかジャンルとしては ラノベだったのね。 話は徐々に伏線を張って進んでいくのだが 後半が紙面が足りないのか急すぎ展開で 尻切れトンボな印象を受けた。

不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲

石田衣良/著 毎日新聞出版 昭和20年3月10日の東京大空襲の 描写が壮絶すぎて、助かった人たちが 本当に運が良かったとしか思えない。 話は日本とアメリカの二重国籍をもつ少年が主人公だが なぜか死に戻りする能力がある設定で 家族を助けるストーリーになっ…

マルドゥック・アノニマス 5

冲方丁/著 ハヤカワ文庫JA ウフコック救出前と後の話が交差する。 読む間が空くと、登場人物で誰だっけなというのも 出てくるくらい多数登場。 でも増加は実はしていないんだよな。 本作でのバロットの精神的成長がすごく 泣かせられるシーンもしばしば。

北の海 (上)(下)

井上靖/著 新潮文庫 『夏草冬涛』の続編。 旧制中学を卒業して受験に失敗した洪作が 浪人生活と両親のいる台湾へ向かうところまでの物語。 金沢の旧制四高の柔道部との日々が印象的。 洪作の境遇が複雑なのは1作目からだが、 全くひねくれていないで成長して…

ひとり旅日和

秋川滝美/著 KADOKAWA タイトル通り、ひとり旅の醍醐味と 著者の得意なグルメものが合わさった物語。 ひとり旅を重なることで、 主人公が成長していく。

エピローグ

円城塔/著 早川書房 結構難解だった。 考えて読んでもわからないので感じたままに読んで 文章の波に乗っていくしかなかった。

彼らは世界にはなればなれに立っている

太田愛/著 KADOKAWA 現代社会の話ではなく、 架空の国の物語で戸惑うのだが 差別や戦争などの寓話的ストーリーなのだろうか。 各章の語り手の人生が皆壮絶。

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

石田衣良/著 文藝春秋 最新作まで追いついた。 表題のは度々過去作品でも触れられている 児童虐待話で最もキツイ内容だった。 IWGPシリーズは時事ネタが常にあるが 本作でもコロナの世界が書かれていた。

絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV

石田衣良/著 文藝春秋 外国人留学生問題が、中国人からベトナム人になっているのが 時代的流れに即している。 そういえばマコトの家の果物屋が襲撃されたの 久しぶりだったな。

キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇

石田衣良/著 文春文庫 IWGPシリーズ番外編。 タイトルのとおり、いかにしてGボーイズが誕生し タカシがキングになったかの物語。 マコトが当然語り手。 話は冒頭で語っているとおり。

七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV

石田衣良/著 文藝春秋 IWGPシリーズ14作目。 表題作は現代的。 承認欲求が過ぎて死もいとわない 世の中って洒落にならない。

裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークXIII

石田衣良/著 文藝春秋 IWGPシリーズ13作目。 2016、2017年の作品が収録されている。 事件は大きなものもあるが、 悲惨な部分は少し減っているかも。

家が呼ぶ --物件ホラー傑作選

朝宮運河/編 ちくま文庫 <収録作品> 『影』若竹七海 『ルームシェアの怪』三津田信三 『住んではいけない!』小池壮彦 『はなびえ』中島らも 『幽霊屋敷』高橋克彦 『くだんのはは』小松左京 『倅解体』平山夢明 『U Bu Me』皆川博子 『ひこばえ』日影丈吉 …

憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI

石田衣良/著 文藝春秋 シリーズ第2部開始が本作。 2010年代に入っているためか 各事件の背景がそんなに昔な感じがしない。 マコトも20代後半になって、所持している携帯も スマートフォンに変わっている。

IWGPコンプリートガイド

石田衣良/著 文藝春秋 ファーストシーズンまでのコンプリートガイド。 全話あらすじと著者解説がある他 作品で取り上げられている場所がどこかという地図や マコトが聞いていた曲の紹介など充実。 また、マコトとクー、リンが登場するショートストーリーが収…

ドラゴン・ティアーズ──龍涙

石田衣良/著 文藝春秋 10作目。 本作は2009年に発行しているが 既に外国人技能実習制度の闇を 書いているところがすごかった。 ただ、解決方法はそれで良かったかというと複雑である。

非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークVIII

石田衣良/著 文藝春秋 8作目。 母子家庭やネカフェで寝泊まりしている非正規社員など 貧困問題をテーマにしていて 結構重い内容。救済策は実はあっても その対象者は気づかない。

Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパークVII

石田衣良/著 文藝春秋 7作目。 表題作以外はオレオレ詐欺こと振り込め詐欺を はじめ時事ネタを取り上げている。 Gボーイズのみの内部抗争ものになると 一種のファンタジー風。

PRIDE-プライド 池袋ウエストゲートパークX

石田衣良/著 文春文庫 本書がIWGPシリーズの ファーストシーズ完結編とのこと。 確かに表題作の『PRIDE』はそういう終わり方だった。 一作目と比べてマコトが大人になってきている。

灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI

石田衣良/著 文藝春秋 『池袋フェニックス計画』はオールスター 登場といったところで池袋を守るぞというところが IWGPぽさがあった。池袋は黒か白かというと 確かに灰色の方が合っているかも。

赤(ルージュ)・黒(ノワール)―池袋ウエストゲートパーク外伝

石田衣良/著 徳間書店 なぜか版元が違う番外編。 マコトは名前のみで全く登場せず タカシはちょっと登場、サルが大活躍。 主人公は映像作家のギャンブル狂。 最初から最後まで大博打で生きるか死ぬかの スリルを描いている。