女系家族

山崎豊子 新潮文庫

昭和30年代とは思えないような、旧時代然した世界の話。

大阪の大商家の三姉妹が、遺産相続で陰湿な争いを

して、それのおこぼれを預かろうと周りの人間が関わって、

どろどろしすぎ。読んでいて不愉快になっていく。

亡くなった三姉妹の父親も、すごい嫌がらせな遺言状残してるんだよね。

父親の妾さんがこの話の中ではいい人部類になっているので、

この人もどうなのか、という態度をとるけれど、まだ許せるよ。

応援もしたくないけど、誰を選ぶかとなるとこの人くらいだ。

欲にからむと人がいかに醜くなるかよくわかる話だ。