サイラス・マーナー

ジョージ・エリオット/著 土井治/訳 岩波文庫

忘れがちなので、メモしとく。

ジョージ・エリオットという男性名だけど女性であるということを。

大人のおとぎ話で普通にいい話です。

若い頃に友に裏切られて金だけが唯一だったのが、

やはり金を失い、そのかわりに無垢な幼児により

幸福を得る、というサイラス・マーナーの一生。

キリスト教的な思想を入れてますが、

19世紀イギリスの素朴な田舎生活の描写にまぎれて

目立たないので読みやすい。

ストーリーとはあまり関係なく気になったのは、

当時紳士階級だった地主一族の子息が

突然失踪してもも皆たいして大騒ぎしない、ということが

さりげなく書かれいていたこと。

当時は事件性とかはあまりない事柄だったのだろうかなあ。

(『嵐が丘』のヒースクリフが家出したときもそんな感じだった)