居酒屋

ゾラ/著 古賀照一/訳 新潮文庫

お酒はほどほどにネ☆

そんな教訓が読了後出てきてしまうくらい

「酒は身を滅ぼす」過程が描かれている。

何しろ、一滴も飲めなかったクーポーが

怪我の憂さ晴らしに酒を飲みだしてから

アル中へのラブリーな生活(by『失踪日記』)、

そして脳をやられて精神を病んで死ぬまでの姿が壮絶。

主役はこのクーポーの妻のジュルヴェーズなのだが、

そんな夫に負けず劣らずの悲惨な生涯。

一時は洗濯屋の女主人になっているのに、

こちらも酒とランチエ(なんつうかこいつもなあ……)のせいで

最下層まで転落。

悲惨すぎるのに面白いよ。

悲惨の中にユーモア的なところもあるからなのか?

ちなみに、ゾラといえばタイトルだけ有名な『ナナ』

(私も未読本)はクーポー夫妻の娘ナナが主役の話らしい。

ところで本書は《ルーゴン・マッカール叢書》の第7巻なのだが、

他の巻は手に入りにくいみたいなのが残念。

ルーゴン一族気になるよ!