2006-08-05 凍てる庭 読書の記録_国内作家ま行 水上勉 新潮文庫 娘が誕生してから、一応小説だけで食べられるようになる頃までの 自伝的小説というか私小説。 この小説の世界はわかりやすくいうと、 つげ義春の漫画(『無能の人』あたりの系統)がよく似合う。 戦後直後だから貧乏暮しで、失業だの離婚だの、 ともかく暗い話のはずなのにどこか哀愁とユーモアが混在する。 水上勉の通常の小説とは違い、私小説ものはやはり 宇野浩二の影響が強いせいか。