人間ゾルゲ

石井花子 角川文庫

第二次世界大戦下で起こった

スパイ事件の主犯とされた、

ドイツ人ゾルゲの日本人妻の手記。

第一部はゾルゲとの生活、

第二部以降は、戦後にゾルゲの名誉回復のためにつとめた日々について。

著者の主観的な回想記なので鵜呑みするのはどうかとはあるけど、

ゾルゲの人間的一面については非情に貴重な手記である。

第一次世界大戦のときに、戦場の経験から

平和主義になったゾルゲなのだが、

戦争反対が共産主義に走ったのかは実はよくわからない。

旧ソ連が平和的国家とも思えないが。