石川淳短篇小説選

石川淳/著 菅野昭正/編 ちくま文庫

<収録作品>

マルスの歌』『黄金伝説』『無尽燈』

『焼跡のイエス』『かよい小町』『雪のイヴ』

『影ふたつ』『灰色のマント』『まぼろし車』

『裸婦変相』『喜寿童女』『金鶏』

『ゆう女始末』『鸚鵡石』『鏡の中』

全て初読了、というか石川淳の作品は初読了。

タイトルで有名なのはこの中では『焼跡のイエス』かな。

マルスの歌』のみ戦前(昭和13年)の作品であとは戦後のもの。

77歳の老妓・花女が怪しげな術で11歳の多淫な童女に変じ、

各時代の権力者の影にいた……という『喜寿童女』、

ニコライ二世の津田三蔵による暗殺未遂事件後、

京都で自殺した女性の話『ゆう女始末』が印象に残った。