ナナ

エミール・ゾラ/著 川口 篤、古賀 照一/訳 新潮文庫

ファム・ファタール!

まさにこの言葉が相応しい話。

『居酒屋』の主人公の娘、ナナが主役の話。

女優、高級娼婦と己の肉体を武器にしていく人生を歩むナナ。

当時の悪徳といわれるものにまみれた

ナナとその周辺の人々の姿はもう迫力ものだった。

白熊の毛皮を敷き詰めた屋敷に住まう

(動物保護て何? の時代の象徴エピソードですな)

ナナの最高潮は、競馬場のエピソードだろう。

ナナ生涯のラストは、誰かに刺されてるだろうかと思いきや

もっと残酷なラストで予想外だった。