帚木蓬生 新潮文庫
裏表紙あらすじに「ミステリー」と書いてあるのにも関わらず、
話の9割くらいは、介護病棟ちょっといい話な内容。
以下ネタバレ?
確かに病棟の老人が死に過ぎなのだけど、流れ的に不自然な死に方ではないので
途中ミステリーと忘れてしまう。まだ看護婦さんと呼ばれている頃の時代の話だけど、
ここで書かれている老人介護の現実に、少し考えさせられたり
なんか良いエピソードにほんのりしていたら、最終章で殺人が~とか言い出すので驚いてしまった。
ちなみに解説でいきなり犯人について書かれている、というか
タイトルの『安楽病棟』の「安楽」が「安楽死」を暗示させているというのが
想像つけば、安楽死を語っている人物が犯人ってわかるのであった。
普通小説でも良い話なのに、なぜミステリ扱いにしたのだろう?