<収録作品:下記は「著/絵」の組合せ>
『丸の内』高浜虚子
『山の手麹町』有島生馬/有島生馬
『神保町辺』谷崎精二/田中咄哉
『大学界隈』徳田秋声/木下孝則
『上野近辺』藤井浩祐/藤井浩祐
『小石川』藤森成吉/中川紀元
『早稲田神楽坂』加能作次郎/安宅安五郎
『四谷、赤坂』宮嶋資夫/辻永
『目黒附近』上司小剣/中村岳陵
山手篇、収録作品タイトルどおりかなり範囲が広い。
下町篇と異なり、震災が……という話よりも、
自分が若かった頃の回想話が多めか。タイトルなっているのに、
紙面が足りなくて数行しか触れないものもあり。
その中でも『丸の内』は当時の最先端丸ビルのことが
書かれていて、ちゃんと「繁昌記」ぽい。
この中で最も異色なのが『目黒附近』で、
なぜかこれだけ小説仕立て内容。当時も目黒の中では
白金が格上なのよ、というご婦人がでてくるのに苦笑。