冷血

カポーティ/著 瀧口直太郎/訳 新潮文庫

ノンフィクション・ノヴェルの原点。

1965年以前にはドキュメンタリーではない、

こういった手法の作品が

なかったというのが案外意外。

アメリカ中西部の片田舎で起こった

クラター一家惨殺事件の犯人ペリーとディック、

事件が起こる直前から、彼らが逮捕、

死刑となるまでの内容。

この中で、カポーティがペーリーに感情移入をして

書くことで、人が何故人を殺すのかに迫っている。

理不尽なのだよな……。

カポーティはこの『冷血』以降、

他小説を書こうとしても書けなくなってしまうという点でも

いわくつき作品なのか。