ビリー・ミリガンと23の棺 (上)(下)

ダニエル・キイス/著 堀内静子/訳 ダニエル・キイス文庫

24人のビリー・ミリガン』の続編。

前作の後のビリーの人生はどうなったの?

という疑問に答える内容になっている。

多重人格ということで無罪になったビリーだが、

その後送られたライマ病院は刑務所よりもひどい所だった……。

ということで、ビリーがどうやって病院から生還したのか、

というサバイバル的な内容がメインとなっている。

現在は、ビリーは人格統合もできて社会復帰しているが、

それまでの時間がすごく長い。

当時でも、ビリーは有名人扱いにされていたため、

マスコミや政治家が反ビリーを主張して道具にされていて、

やりすぎ? な感じもしないでもないけど、

ビリーと同じ土地に住んでいる人たちの

不安もわからないことはない。

ビリー以外の人格がしたとはいえ、

連続レイプ犯というのは事実だから。

児童虐待(レイプ含む)され、苦しい経験をし、

多重人格になったのに、

負の連鎖か自身が犯罪に手を染めるのは

なんとかならないのだろう?

単純に良かった悪かったといえない、

凄く複雑な気分になる話なんだよなあ。