ダン・シモンズ/著 布施由紀子/訳 角川文庫
『ドラキュラの子供たち』を長編化したのが本作品。
プロローグ的な第六章部分までが『ドラキュラの子供たち』と
ほぼ同内容で、第六章目の最後が異なっていることで
『夜の子供たち』の本内容がスタートします。
ルーマニアが舞台なので、すぐに吸血鬼がテーマだとわかるのですが、
時代背景がチャウシェクス政権崩壊直後というのが珍しいかも。
それに、医者が主役なので、
吸血鬼の生存のメカニズムを医学的に見るというのも面白い視点です。
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中盤までは、ゴシック・ホラーらしいのですが、
後半からヒロインと神父の恋愛話あたりから
ハリウッド映画的展開に……。
この人の小説って、長編と短編の温度差が若干ある気がします。