兵士たちの連合赤軍

植垣康博/著 彩流社

ぐだぐだ思った事を書いてみたら長くなった……。

一言でいうと、「だめだこいつら」なんだけど。

1971年~1972年に起こった山岳ベース事件および

それ以前のも幹部側ではなく、

兵士として実務に関わった赤軍側の活動内容について

割と詳細に書かれてた手記。

この人自身の性格のせいかもしれないかもだけど、

山岳ベース事件以前までの活動話はそれほど深刻じゃない印象。

革命左派側が全国指名手配で潜伏しているのに対し、

こっちは都内で堂々と出歩いてたりしてたり。

著者も「M作戦」(金融機関強盗事件)で

全国指名手配になってからも眼鏡フレーム変えるぐらいで

ほとんど変装もしてなかったようだし、どこか能天気だ。

森恒夫が表舞台に登場するまでは。

山岳ベース事件は中央委員会(CC)が気に食わない人物が

リンチ殺害の対象になってしまったとしか見えないな……。

総括が納得いかないとか、どうみても感情的すぎ。

著者が山岳生活実務に有能じゃなかったら、

痴漢行為や「結婚したいです」発言などでフラグ立ててるんで

総括対象になってもおかしくなかったし。

今からみると、山へ行く以前に逮捕された人たちは幸運だったと思う。

ちなみに、漫画『RED』の岩木のエピソードは

この手記がほぼ全てといっていいくらい元ネタとなっている。

(植垣=岩木だし、なので岩木&月山さんエピソードも

手記で書かれていたのを再現させたものだった。)

なお、以前からブルジョワちっくな渾名でいいんか? 

と疑問に思っていた著者の「バロン」という渾名の理由が

本書でわかった。

(バロン吉本の『昭和柔侠伝』の敢太郎というキャラに

似ているからだそうだ)