充たされざる者 (上)(下)

 

カズオ・イシグロ/著 古賀林幸/訳 中央公論社

カズオ・イシグロ作品はハヤカワepi文庫でも読めるけど、

読了したのはこっち版。

ヨーロッパのどこかの街(スラブ系ぽい)の

イベント「木曜の夕べ」に参加するためにやってきた

世界的ピアニストのライダー。

休息する間もなく市民の人から次々と奇妙な訴えと依頼をされる。

また、初めて来た街のはずなのに、見覚えある物や

何故か知っているいる人たちにも出会う。

カズオ・イシグロ作品は、毎回作風が違うのだけど

これはどんどん話が進むにつれて迷宮に入り込んだごとくの

不条理な世界に陥って行く感覚が面白かった。

よく話がぶっ壊れないものだ。

街の地理もよく考えると何か変な構造だし。

ライダーが辛抱強い性格なのかわからないけど、

この不条理な世界を疑問を感じずにいるので、

一緒におつきあいしていかざるえないので、結構深みに入ってしまった。

とにかくも、皆しゃべり過ぎ! 一旦話しだすと

数ページに渡ってほとんど改行なしなのでちょっと読みにくいかも。