望みは何と訊かれたら

小池真理子/著 新潮社

濃ゆくて奇妙な愛の物語。

2006年冬に沙織がパリのギュスターヴ・モロー美術館で

秋津吾郎に再会することにより、

34年前(1970年)に彼女に起こった出来事が回想される。

学生運動の延長で過激派組織にまで参加してしまった

過去について物も言わずに生きてきた団塊世代女性の心境って

どうなんだろう? という疑問があったので読んでみた。

沙織の場合、組織脱走後の吾郎との生活の方が

ずっと心に根ざしてたようだがね。

吾郎との再会後、沙織がとった行動の展開が上手いなあ。