忘却の船に流れは光

田中啓文/著 早川書房

ダンテ『神曲』のごとく<地獄篇><煉獄篇><天国篇>の

三部で構成されている。

悪魔の襲来によって滅びた世界。生き残った子らのために

主は5つの階層に分けた閉鎖都市を構築。

また、子らは「聖職者(すさのおいや)」「警防者(サクラダモン)」

「保育者(めのと)」「雌雄者(いざなぎ・いざなみ)」「修学者(がりべん)」

「耕作者(はたらきもの)」「普遍者(ありきたり)」と

生まれながらに体に特徴を持つようになった。

……とまあキリスト教、日本神話、クトゥル神話等が

混ぜ合わさった異世界が出てきて、この世界の「謎」を解く物語。

以下ネタバレ。

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聖職者ブルーの視点で話が進み、

この作者にしてはシリアスな展開+読んでる方も痛くなりそうな

暴力的シーン全開。グロは弱めかな。

途中修学者のヘーゲル

この世界は宇宙船ではないかと看破するのだが、

更に斜めを行く世界だったのと

オチの駄洒落には笑えたわ。