フラナリー・オコナー/著 横山貞子/訳 ちくま文庫
<収録作品>
短篇集「すべて上昇するものは一点に集まる」
『すべて上昇するものは一点に集まる』『グリーンリーフ』『森の景色』
『長引く悪寒』『家庭のやすらぎ』『障害者優先』
『啓示』『パーカーの背中』『よみがえりの日』
後期作品
『パートリッジ祭』『なにゆえ国々は騒ぎ立つ』
短篇集「すべて上昇するものは一点に集まる」は
死後にまとめられ出版されたものである。
他人に対して優越感を持っている人物が
その傲慢さをもつために起こる結果について、
ひたすら追求する作品ばかり。
生まれついて敗北感を知っている南部人でかつ
南部では少数派であるカトリック信者なためか執拗に近い感じ。
作品のによっては、一読では誤読しやすい内容もあったりするなあ。
キリスト教文学って宗教的救いの光みたいなものを
ラストに持って行く話が多いのに
オコナーの小説はダークで精神的にズドンとくるオチばかりだ。
それでも、クリスチャンではないが『啓示』の
ラストで主人公が目撃したものは何度読んでも衝撃的すぎるのであった。