愛憎の王冠(上)(下) -ブーリン家の姉妹2

愛憎の王冠〈上〉―ブーリン家の姉妹〈2〉 (集英社文庫) 愛憎の王冠〈下〉―ブーリン家の姉妹〈2〉 (集英社文庫)

フィリッパ・グレゴリー/著 加藤洋子/訳 集英社文庫

『ブーリン家の姉妹』の続編。

といっても、子供世代なのでブーリン家関係ないから

副題はいらないとは思うが、商業的に入れた方が売れるからかな。

メアリー1世エリザベス1世の姉妹が、

イギリス王位継承を巡って陰謀と姉妹愛と

母親世代からの憎悪、とまあドロドロすぎな世界を書いて

前作以上にハラハラする展開になっている。

特に、今回の語り手は「聖なる愚者」と呼ばれて

メアリー、エリザベス共に愛された道化のハンナ。

ハンナは女性なのに男装でユダヤ人ということを隠して生きているという

複雑は設定もあり、当時のユダヤ人の立場というのも学べる。

ハンナの目から通したメアリーとエリザベスが、

今までの歴史イメージと少し違う所も面白い。