嘘の木

嘘の木

フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社

 

毎度違う時代を書くところが器用。
本作ではダーウィンの『種の起源』が出版された後
とのことなのでおそらく19世紀半ば。
14歳のフェイスは、有名な博物学者の父が化石を捏造したという
スキャンダルを避けるため一家でヴェイン島へ移住することになる。
島で父が殺害されるという謎と、父が隠す「嘘の木」の謎、
いろいろな謎に対してフェイスが暗躍して謎解きを行う。
女性が前面に出てはいけない時代であるが
それを逆手にとって行動する女性たちの姿も印象的。