2021-01-01から1年間の記事一覧

迷路の少女

シッゲ・エクランド/著 北野寿美枝/訳 ハヤカワ文庫NV 行方不明になった少女マグダを巡って 四人の男女の独白が続く感じ。 とにかく冒頭から結末まで重い雰囲気。 結局マグダは見つからないまま終わるが おそらく不慮の事故なんだろうなとは暗示される。

真夜中の閃光

W・ブルース・キャメロン/著 真崎義博/訳 ハヤカワ文庫NV 表紙と内容があまりあわない。 悲しい過去を持つ主人公の頭の中に 別の人物が住み着き、その理由を探す。 主人公の周囲もトラブル続きで収集つくかというくらい いろいろ起こるが最後ハッピーエンド…

小さきものたちのオーケストラ

チゴズィエ・オビオマ/著 粟飯原文子/訳 早川書房 ナイジェリアのイボ神話を取り入れた小説。 主人公チノンソの悲劇を彼の守り神が語る。 ここの守り神って日本の守護霊に近いものなのかな。 全然主人公守られてないんだが。

真夜中のたずねびと

恒川光太郎/著 新潮社 5つの短編集。 登場人物に試練が多い話や 殺人事件に関わって人生が翻弄される人など多め。 津村記久子もそうだけど、 恒川光太郎作品の主人公的人物たちって 逆境でも淡々としている。 話を読みすすめると、他作品に出てくる人が ちょ…

サキの忘れ物

津村記久子/著 新潮社 9つの短編が収録。 表題のサキとは何者かと思ったが 小説家のサキのことだった。 淡々としていて派手ではないが 救いがある結末が多かった。

死を歌う孤島

アンナ・ヤンソン/著 久山葉子 創元推理文庫 『消えた少年』の続編。 現代北欧ミステリによく出るテーマ 福祉国家の暗部的なものが入っていて 本書は社会保険庁が関連していた。 無人島での連続殺人事件だが 最後はあっけなかった。

消えた少年

アンナ・ヤンソン/著 久山葉子 創元推理文庫 スウェーデンのゴッドランド島を舞台にしたミステリ。 いきなりシリーズ8作目が初訳らしい。 ゴッドランド島は『魔女の宅急便』のモデルの街があるらしいが 本書は登場人物みな疑心暗鬼状態でラストまで進むし 主…

レストラン「ドイツ亭」

アネッテ・ヘス/著 森内薫/訳 河出書房新社 1963年実際に行われた「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」を ベースとしたフィクション。 20年前近く前にあったナチスドイツのことを 忘れたい人々、何があったか真実を知りたい人々など 様々な思いが書かれて…

禁忌

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 本作が実際にあった事件を元にしているとは! 前半のゼバスティアンの人生は もう少し簡潔でもよかったのでは。 拷問したのは良くはないが、 刑事が一番気の毒に思えてしまう。

諸星大二郎スペシャルセレクション 碁娘伝

諸星大二郎 潮出版社 唐代の中国を舞台にした 女性が主役で怪奇ありアクションありの物語。 復讐ものから始まるけど、勢いあって面白い。

ゴースト・ハント

H・R・ウェイクフィールド/著 鈴木克昌ほか/訳 創元推理文庫 全18作すべて怪奇小説を収録。 1920年代から1960年代の作品だが 全体的にゴシック風で19世紀ぽい雰囲気。 表題作は収録作品でも短い方だが結構怖い。

ルドルフ ザ・ラスト・キス

フレデリック・モートン/著 富永和子/訳 集英社文庫 1988年から1989年までの オーストリア皇太子ルドルフが自殺を中心とした ウィーンを舞台にした歴史小説。 最後がアドルフ・ヒトラー誕生で締めているのが 時代の不穏さを出して良かったが、 全体の構成が…

こうしてあなたたちは時間戦争に負ける

アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン/著 山田和子/訳 早川書房 作品のイメージを掴むのが、 レッドとブルーの関係が理解するまで難しかった。 幾多の時間線をこえての手紙のやり取りはエモい。

コリーニ事件

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 事件が起こって裁判が始まるまでの前半は 冗長な感じがして、シーラッハ長編大丈夫か? という心配もあったが(とはいえ、被害者と少年時の主人公の 交流エピソードは良い) いざ裁判が始ま…

希望の国のエクソダス

村上龍/著 文藝春秋 00年代を舞台にした 近未来小説(執筆当時2000年)。 中学生が集団登校拒否を起こし、 ネットビジネスを確立しその後北海道で独立すると あらすじだけだと陳腐ぽいが 日本の経済などの絶望的背景を同時に書くことで 物語をきちんと成立さ…

凍える街

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 読む順序間違えてしまった。 『ホテル1222』の前作。 主人公のハンネがオスロ警察の現役警部で 実は『ホテル1222』で本作のラストがネタバレされているのだった。

ホテル1222

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 ノルウェーミステリ。 吹雪で閉じ込められたホテル1222にての クローズドサークル物。 謎解きというよりノルウェー社会派ミステリという感じ。 主人公のハンナの属性が、 元警部の女性で、同性愛者で、子持ちで …

刑罰

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 短編集第3弾。 以前の2作から作品の質が全く落ちないのが凄い。 どの作品も後味が悪いものさえいい余韻がある。

罪悪

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 ショートショートくらい短い話もあり 『犯罪』と同様、クオリティ高い。 結構悲惨な事件もあり後味が悪いのもあるが、 淡々としている文章なためか冷静に読める。 最後の作品はシーラッハ自…

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 第11巻

浅野いにお 小学館 『イソベやん』が完結! そして本当に人類は終了して 地球がくそやばい。

アオイホノオ 第24巻

島本和彦 小学館 大学中退をやっと決意し 第一部完了。 え、第二部が開始するの?

姉妹の家 (上)(下)

シャルロッテ・リンク/著 園田みどり/訳 集英社文庫 ドイツ作家だけど、本作もイギリスが舞台。 大雪で閉じ込められた屋敷内で見つけた 20世紀初頭から現代までのとある女性の ドラマチックな人生の手記の秘密。

僕が死んだあの森

ピエール・ルメートル/著 橘明美/訳 文藝春秋 隣家の子どもをうっかり殺してしまった 12歳の少年アントワーヌ。 事件が発覚するかしないかハラハラしながら話が進む。

僕の心のヤバイやつ 第1〜5巻

桜井のりお 秋田書店 現在刊行中の5巻まで読了。 1巻の最初の方はありがちなラブコメかなと思ったが 市川が山田のことが好きだと自覚したあたりで確変。 ナンパイは本作のヘイトキャラであるが、 彼が出ると二人の仲に新たな進展がある。

北の海 (上)(下)

井上靖/著 新潮文庫 『夏草冬涛』の続編。 旧制中学を卒業して受験に失敗した洪作が 浪人生活と両親のいる台湾へ向かうところまでの物語。 金沢の旧制四高の柔道部との日々が印象的。 洪作の境遇が複雑なのは1作目からだが、 全くひねくれていないで成長して…

記憶のための殺人

ディディエ・デナンクス/著 堀茂樹/訳 草思社 社会派ミステリ。 1961年パリで起きたアルジェリア人弾圧事件に乗じて 殺害された高校教師。 その後1982年にその息子が殺害される。 殺害される原因が第二次世界大戦でのナチス関連で フランスで起こった歴史の…

潮が舞い子が舞い 第6巻

阿部共実 秋田書店 ゆっくり時間は進んでいるが 今まで絡みがなかったキャラたちに 繋がりが出てきたりして同じクラス内でも 人間関係に広がりが出てきた。

VTJ前夜の中井祐樹 七帝柔道記外伝

増田俊也/著 角川文庫 『七帝柔道記』の外伝と書かれているとおり 北大柔道部や柔道関係の人たちのエピソードなど。 沢田のモデルの人が『七帝柔道記』をきっかけに 作者と再会し対談していたのが嬉しくなる。

どこにでもある場所とどこにもいない私

村上龍/著 文藝春秋 それぞれ独立した短編集だが 何気ない日常から抜け出そうとする語り手たちの物語。 全員、周囲の人間観察が細かいのが特徴的。

妖怪ハンター 稗田の生徒たち 美加と境界の神 / 夢見村にて / 悪魚の海

諸星大二郎 集英社文庫 『 夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち 第1巻』の文庫版。 2014年から2巻が出ないままだったが ここにきて未収録の『美加と境界の神』が文庫版で収録なので 続刊は絶望的なのか。 『美加と境界の神』は黄泉平坂が題材で 思ったよ…