読書の記録_国外作家あ行

嘘の裏側

アンドリュー・ヴァクス/著 佐々田雅子/訳 早川書房 探偵バークシリーズ第9作目。 なぜか久しぶりに読みたくなったこのシリーズ。 バークおよびファミリー誰だっけだが おそらく毎作親切に説明があるのですぐ思い出せた。 話自体もだが文体が読みづらいがこ…

サハリン島

エドゥアルド・ヴェルキン/著 北川和美、毛利公美/訳 河出書房新社 第三次大戦後の近未来。 日本周辺国家の人々の扱いが結構ひどいので ロシア人作家じゃなかったら炎上しそうかも。 核戦争後のサハリンでの探検というか冒険活劇で 疫病で住人たちがゾンビ化…

壊れた世界の者たちよ

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーコリンズ・ ジャパン 短編ではなく100ページ以上の 6つの中編作品集。 今までのウィンズロウ作品の集大成と いってよい内容ばかり。 しかも過去作品のシリーズに出てきたキャラクターも 登場する作品があったりと…

移動迷宮 中国史SF短篇集

飛ダオ/ほか著 大恵和実/編ほか訳 中央公論新社 7人の中国SF作家による短編集。 サブタイトルのとおり、中国史をSFに絡めていて 作品は時代が古い順に収録されている。

仏陀の鏡への道

ドン・ウィンズロウ/著 東江一紀/訳 創元推理文庫 シリーズ二作目。 一作目は出版当時すぐ読んだので 続きを読むのは25年以上ぶり。 主人公のニール自身があまり活躍してなくて 周囲に翻弄されすぎな2作目だった。 そうそう舞台は1970年代だったっけ。

子守唄

カーリン・イェルハルドセン/著 木村由利子/訳 創元推理文庫 ショーベリ警視のシリーズ3作目。 当初シリーズ構想が三部作だったらしいので 今まであった伏線めいたものは回収されている。 結構衝撃的な結末を迎えている。 なおシリーズは8作らしいが日本での…

赤ん坊は川を流れる

エルスベツ・イーホルム/著 木村由利子/訳 創元推理文庫 デンマークの女性記者が主人公の シリーズ1作目。 女性の日常生活に絡めたミステリもので こういうのはフェミクリミというジャンルものになるらしい。 でも本作の日常生活が結構 ドロドロした複雑さが…

迷路の少女

シッゲ・エクランド/著 北野寿美枝/訳 ハヤカワ文庫NV 行方不明になった少女マグダを巡って 四人の男女の独白が続く感じ。 とにかく冒頭から結末まで重い雰囲気。 結局マグダは見つからないまま終わるが おそらく不慮の事故なんだろうなとは暗示される。

小さきものたちのオーケストラ

チゴズィエ・オビオマ/著 粟飯原文子/訳 早川書房 ナイジェリアのイボ神話を取り入れた小説。 主人公チノンソの悲劇を彼の守り神が語る。 ここの守り神って日本の守護霊に近いものなのかな。 全然主人公守られてないんだが。

ゴースト・ハント

H・R・ウェイクフィールド/著 鈴木克昌ほか/訳 創元推理文庫 全18作すべて怪奇小説を収録。 1920年代から1960年代の作品だが 全体的にゴシック風で19世紀ぽい雰囲気。 表題作は収録作品でも短い方だが結構怖い。

こうしてあなたたちは時間戦争に負ける

アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン/著 山田和子/訳 早川書房 作品のイメージを掴むのが、 レッドとブルーの関係が理解するまで難しかった。 幾多の時間線をこえての手紙のやり取りはエモい。

ジーン・ウルフの記念日の本

ジーン・ウルフ/著 酒井昭伸、宮脇孝雄、柳下毅一郎/訳 国書刊行会 <収録作品> 『鞭はいかにして復活したか』『継電器と薔薇』『ポールの樹上の家』 『聖ブランドン』『ビューティランド』『カー・シニスター』『ブルー・マウス』 『私はいかにして第二次…

花の子ども

オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル/著 神崎朗子/訳 早川書房 アイスランド小説。 ヨーロッパのどこかの国の僧院の 庭師として働くために旅立った青年の物語。 一風変わった家族の物語でもあった。

フラテイの暗号

ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン/著 北川和代/訳 創元推理文庫 1960年代を舞台にしたアイスランドミステリ。 本書の鍵を握る『フライテイの書』は実際の存在している。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88%E5%B3%B…

コンプリケーション

アイザック・アダムスン/著 清水由貴子/訳 早川書房 サスペンスミステリものかと思いきや 異国風味なプラハを舞台とした幻想的な物語。 ラストで主人公が帰国したあとの 父親の手紙の内容も事実か怪しくなる。

パパ、ママ、あたし

カーリン・イェルハルドセン/著 木村由利子/訳 創元推理文庫 シリーズ2作目。 複数の事件が途中から一気に解決へ向かうが 解決まで不安感が強い。 今回は特に家に置いてけぼりされた 3歳児が無事助かるのかが。 しかし、主要登場人物の問題が浮き彫りにされて…

ホテル・ネヴァーシンク

アダム・オファロンプライス/著 青木純子/訳 早川書房 1930年代から2000年くらいまで経営されたホテル 「ホテル・ネヴァーシンク」とそこを経営した家族、 その親族、従業員などの年代記。 皆、秘密を抱え込んでいる。

パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー

ソフィー・エナフ/著 山本知子、山田文/訳 早川書房 シリーズ2作目。 サブタイトルが本作とあまり意味がなかった。 カペスタンの義父が殺害され、その事件の解決も 彼女自身にとってつらいものだった。 ラスト3作目への布石があったかも? 捜査班へは更に濃…

お菓子の家

カーリン・イェルハルドセン/著 木村由利子/訳 創元推理文庫 ショーベリ警視シリーズ第1作。 スウェーデンミステリ。 主人公のショーベリ警視は、5人の子沢山で 結構家事も手伝ったり家庭円満なところが珍しい? 21世紀になってるわりに 鑑識や各警察署間の…

昏き目の暗殺者

マーガレット・アトウッド/著 鴻巣友季子/訳 早川書房 タイトルは作中作の小説から。 カナダの資産家の階級出身で 戦前戦後を生き抜いた女性の生涯という大枠がありながらも 作品の入れ子構造が複雑で最後の方で 仕掛けの謎がわかるが、他にもいろいろ考察で…

寝盗る女 (上) (下)

マーガレット・アトウッド/著 佐藤アヤ子、中島裕美/訳 彩流社 国籍不明でプロフィールも嘘っぱちな 魔性の女ズィーニアに人生を振り回される 三人の女性たちの物語。 ズィーニアがいないと平和なのだが 彼女が出てくるたびに嵐が巻き起こるが 結局ズィーニ…

特捜部Q―アサドの祈り―

ユッシエーズラ・オールスン/著 吉田奈保子/訳 早川書房 本作にしてアサドの正体が明かされる。 突然病死するビャアン課長がアサドと因縁ある関係と いうことが明かされて驚かされる。 ずっとアサドとその家族に対してサブタイトルのとおり 無事に再開できる…

誓願

マーガレット・アトウッド/著 鴻巣友季子訳 早川書房 『侍女の物語』の続編。なんと約35年ぶり。 元アメリカのギレアデ共和国とは具体的に どう創設されて滅亡していったかがわかる。 前作では悪役ぽかったリディア小母が 実はギレアデを内部から潰そうとし…

語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団

マーガレット・アトウッド/著 鴻巣友季子訳 集英社 「世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾。」 だそうで、アトウッドがシリーズまた始めたわけではなかった。 タイトルにも入っているとおり『テンペスト』を元にした …

洪水の年 (上)(下)

マーガレット・アトウッド/著 佐藤アヤ子/訳 岩波書店 『オリクスとクレイク』から時間あきすぎ! 前作読んだのは2011年だった。 マッド・アダム三部作の2作目で出版社まで違うので 全然別の話かと思ったらシリーズものだったという。 1作目は近いうちに再読…

ルート66 〈上〉〈下〉

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーシリーズ9作目。 なぜ上下巻に? ある手紙を元にマロリーがルート66を旅するのと 並行して誘拐された子どもたちを探す 親たちのキャラバンと殺人事件。 このシリーズのFBI捜査官はほぼ…

生贄の木

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーシリーズ10作目。 各章の始めにある、アーニーの日記が 木の上に人が袋詰された事件との関連が 近づいていく様が結構怖かった(ホラー物ではないけれど)。 夜中のホタルのシーンがマロ…

ハリウッド警察特務隊

ジョゼフ・ウォンボー/著 小林宏明/訳 早川書房 『ハリウッド警察25時』の続編で地域防犯調停局、 通称カラスと呼ばれる部署の警官たちのエピソードが中心。 前作登場している人物も何人か再登場。 だいたい警察小説だと刑事が主役だけど 本作のシリーズはパ…

死のオブジェ

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーシリーズ3作目。 発行順序どおり読んでいないけど 既に読んでいる4作目へ続く流れとなっていた。 マコーヴィッツの影がまだ色濃いけど 本作でいろいろあって4作目を経てマロリーは 気持…

天使の帰郷

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーシリーズ4作目。 本作は、マロリーがなぜマロリーという名前になったのかや ストリートキッズになる以前の彼女の過去が判明するなど シリーズで結構重要な内容だった。