読書の記録_国外作家あ行

アマンダの影

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ2作目。 1作目の直後らしくマロリーが謹慎中だったが 現場仕事を前作から始めるなど初期は成長も書かれている。 すでに新作など読んでいるのでマロリーが完璧超人ぽく なっているがこの頃…

氷の天使

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーシリーズの一作目。 養父のルイ・マーコヴィッツが殺害されてしまい 生きている彼は見ることが不可能なのだった。 こういう状況のためか、マロリーが後の作品よりも 感情が表に出ている…

クリスマスに少女は還る

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 ノンシリーズ作品でこの作者では人気ある作品らしい。 タイトルだとホラーミステリかと思ったが どちらかというとサスペンスミステリ。 行方不明になった少女たちのパートがすごく緊迫している。

パリ警視庁迷宮捜査班

ソフィー・エナフ/著 山本知子、川口明百美/訳 早川書房 フランス版「特捜部Q」。 たしかに未解決事件を扱う組織の落ちこぼれメンバー という部分は似ているけど、こちらは人数がもっと多い。 あとこちらの方が主人公が女性なためか おしゃれな感じである。…

ウィンター家の少女

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ8作目。 ニューヨークなのに古い屋敷にいわくつきな家族と なんともゴシックな雰囲気。 58年前の虐殺が現代の殺人との関わりとは。 今回は、チャールズがメインでここからマロリーとの関…

陪審員に死を

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 キャシー・マロリーのシリーズは もう入手できる順で読んでいる。 この頃はシリーズ主要メンバーがクローズアップされていたようで マロリーの相棒のライカーがメイン。 ラジオ番組で殺人を煽るのって現実…

吊るされた女

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ、全く順序どおりに読んでいないが あまり問題はないようである。 本作では事件の被害者がマロリーの過去と 関わって、他の作品でもちょいちょい触れている 少女時代のエピソードの謎がだ…

ライフ・アフター・ライフ

ケイト・アトキンソン/著 青木純子/訳 東京創元社 死ぬたびに人生やり直し、 デジャヴュ状態で記憶している 永遠に続けるのは辛いな。 自然死なら終わるのかと思ったが また生まれたときに戻ってぞっとした。 インフルエンザと戦争関連の死亡率が高すぎる。

ピース

ジーン・ウルフ/著 西崎憲、館野浩美/訳 国書刊行会 一見ウィア老人の人生回想話なのだけど 読み進みほど幻想的な世界となって 謎は謎のまま話が進み不思議な感覚に陥った。

世界の終わりの七日間

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳 早川書房 三部作完結。 本作ではいよいよ小惑星が地球に衝突するまで あと一週間となっている。 行方不明になった妹のニコを探すことが話のメイン。 荒廃する世界の中でヘンリーが出会った 滅亡を知らないアーミッシュ…

カウントダウン・シティ

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳 早川書房 三部作二作目。 小惑星が地球に衝突するまであと七十七日の世界。 刑事をクビになったヘンリー・パレスだが 知人の夫が失踪した事件を追う。 事件自体のミステリ要素は薄めであるが この時点で、電気やガゾリ…

地上最後の刑事

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳 早川書房 半年後に小惑星が地球に衝突して滅亡するとされる世界。 舞台設定がとにかく変わっている。 刑事になって二ヶ月ばかりの ヘンリー・パレスが主人公の三部作の一作目。 ヘンリーは粘り強いけど結構面倒臭い性…

修道女の薔薇

キャロル・オコンネル/著 務台夏子/訳 創元推理文庫 失踪した修道女と盲目の甥を探すことになる。 マロリーがどんな人物か触れられているが 前作同様複雑でわかりづらい。

書架の探偵

ジーン・ウルフ/著 酒井昭伸/訳 早川書房 小説家のクローンが図書館に所蔵されて 貸し出しも出来たりするなどの 未来設定が面白すぎる。 でも、クローンの人権全くないのは厳しい。 謎解きもあってぶっ飛んでるがきちんと解決している。

ハリウッド警察25時

ジョゼフ・ウォンボー/著 小林宏明/訳 早川書房 ハリウッドと派手そうな土地での 警察官たちの群像劇。 癖が強い警官ばかりだったが話が進むにつれ 愛着が湧いてくる感じだった。

火星の人 (上) (下)

アンディ・ウィアー/著 小野田和子/訳 ハヤカワ文庫SF 映画『オデッセイ』の原作本。 アメリカ版なろう小説という評判を聞いていたが 確かに主人公、一人きりで火星生き延びていてすごいけど 他の宇宙飛行士含むNASAの人たちもすごいという話だった。 主人公…

アウシュヴィッツの図書係

アントニオ・G・イトゥルベ/著 小原京子/著 集英社 実話に基づいたフィクション。 アウシュビッツ収容所で密かに存在した 本を守り通した少女の物語。 戦争終わるタイムリミットまで 生き延びられるかがじりじりさせられる。 本書でフレデイ・ヒルシュの名誉…

厳寒の町

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 北欧の社会問題といえば移民問題だが 今作時間とも関わる。東南アジア系がクローズアップ。 捜査の展開がなんとも地味なのが特徴だが 結末の犯人の動機などは現実日本でもありそうな話でぞっと…

ゴーストライター

キャロル・オコンネル 務台夏子/訳 創元推理文庫 シリーズものだが、いきなり途中から。 劇場で起こった連続殺人事件。 登場人物変人だらけで、 おそらく主人公も変人なのだが同等な感じ。

クロノリス

ロバート・チャールズ・ウィルスン/著 茂木健/訳 創元SF文庫 近未来の世界でさらなる未来から モノリス(時の碑ということで「クロノリス」)が出現し 世界中の都市を破壊する。 いろいろ情報量が多いので読むのは大変だったが 結局クインはなぜ過去にモノ…

私はガス室の「特殊任務」をしていた

シュロモ・ヴェネツィア/著 鳥取絹子/訳 河出文庫 著者はギリシャ生まれのイタリア系かつ 当時富裕層ではなかったユダヤ人という 珍しい背景があり、かつアウシュビッツからの生き残りである。 当時イタリアはナチスドイツと同盟は組んでいたが、 ユダヤ人迫…

プラハの墓地

ウンベルト・エーコ/著 橋本勝雄/訳 東京創元社 エーコの遺作。 ストーリー自体は難解ではないのだが、 読むのに苦労した。当時の歴史くらいは 事前に勉強してた方が良かったか。 主人公以外は実在の人物で史実と虚構が混じる 構成なので余計そう感じた。

アルファベット・ハウス

ユッシ・エーズラ・オールスン/著 鈴木恵/訳 早川書房 以前、精神病院の話の途中で 一旦読むのをやめたのだが再度挑戦。 正常なのに精神病のふりを続けて 敵陣で生き残りを図ろうとするという 描写がスリリングなはずだがなぜかそう感じなかったためか。 第…

自堕落な凶器 (上) (下)

アリエル・S.ウィンター/著 鈴木恵/訳 新潮文庫 三部作構成で二十年に渡っての アメリカ人作家の失落がいたたまれない。 シムノン、チャンドラー、ジム・トンプソンの文体模倣で 書かれているらしいが、訳文は確かにそれっぽかった。

ザ・カルテル (上) (下)

ドン・ウィンズロウ/著 峯村利哉/訳 角川文庫 『犬の力』の続編で楽しみだったが期待以上によかった。 メキシコの麻薬戦争が、 本作ではもっと熾烈な状態となり 日常的に犯罪と殺人が行われている。 そんな中でも、暴力に抗う一般人たちの エピソードがに胸…

クロストーク

コニー・ウィリス/著 大森望/訳 早川書房 近未来の世界。 携帯会社に勤めるバリキャリ美女と 同僚だが変わり者ギーク青年が出てきたあたりで ロマコメの予感たっぷりでラストは想像つくのだが その過程は楽しかった。 途中もう少し落ち着け、という部分もあ…

黄昏の彼女たち (上)(下)

サラ・ウォーターズ/著 中村有希/訳 創元推理文庫 1922年、第一次世界大戦後のイギリスが舞台。 斜陽の上流階級の母子が下宿屋を始め、 労働者階級のモダン夫婦が入居をするのが始まり。 時代背景が丁寧に描かれていて良い。 秘密の恋が進むうちに殺人が起こ…

消えた子供 トールオークスの秘密

クリス・ウィタカー/著 峯村利哉/訳 集英社文庫 トールオークスという小さな町での群像劇。 皆幸せになって欲しかったけど 結末でなれなかった人もいて物悲しい。 登場人物ではギャングになりたい 少年マニーが魅力的。中二病だがいい子なのが 話を進むうち…

犬の力 (上)(下)

ドン・ウィンズロウ/著 東江一紀/訳 角川文庫 アメリカとメキシコ間の麻薬戦争。 暴力と復讐劇のノワールもの。 長いけど起承転結きっちりまとまっている。

ブラッカムの爆撃機

ロバート・アトキンソン ウェストール/著 金原瑞人/訳 岩波書店 <収録作品> 『ブラッカムの爆撃機』『チャス・マッギルの幽霊』『ぼくを作ったもの』 宮崎駿のまえがきあとがき漫画がおまけ収録されている。 彼好みの作品なのはとてもわかる。 児童書扱い…