富士日記

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武田百合子 中公文庫

昭和39年~51年まで、富士の別荘での生活日記。

季節の移り変わりと献立内容が印象的で、

正直毎回手の込んだものでないのが、妙にリアリティである。

さりげなく周囲の変化も書かれていて、

別荘生活だけだと現在読んでいても違和感ないのに、

個人商店からイトーヨーカドーで買い物するとか、

物価のところとかを読むと昭和の風景という感じがした。

それにしても、この日記に登場している人は

ほとんどなくなっているんだなあ。

解説の水上勉も去年なくなってるし。

武田泰淳の『ひかりごけ』は機会があれば読みたい話のひとつ。