蓼喰う虫

谷崎潤一郎 新潮文庫

倦怠期夫婦の離婚までの過程を書いた話。

↑の夫婦に対し、妻の父親の茶人趣味的な妾(愛人と書くべきなの?)

との生活も書いている。

クライマックスの部分で、突然話が終わったのに驚いた。

昭和になったばかりの時代にも、主人公夫婦みたいに

まだまだ親の遺産のみで暮らしていける人たちがいるんだ、

というのも驚きだけど。

主要人物が作者の谷崎と同様に、

皆東京から関西に移住してきた設定になっているので

関東大震災のため?)、京都大阪淡路などの関西世界が

異邦人な眼で見た感じになっているのが面白いところだ。