文句なしに傑作本。
新潮文庫はいつのまにやら、表紙装丁や中のフォントサイズ(形状が少し変)が変更になってる。
文字が大きくなっているので読みやすいかな。
その分、分厚さが増えている気もするが。
ちなみに上は新しい版で、中・下は古い版で読了。
カラマーゾフ家の物欲の権化である父親・フョードル殺害事件を中心に、
宗教、恋愛、友情ほかいろいろな事項に関しての
カラマーゾフ家の兄弟それぞれのエピソードが描かれている。
昔の小説なのでやたらに皆おしゃべり過ぎだ。まあ、落ち着け。
三兄弟の、ドミートリイ、イワン、アリョーシャ(一応主人公)について、
それぞれ欠点はあるが、皆根っこは善人なのが驚かされた。
というのは、読む前の勝手なイメージだと悪人一家かと思ったので。
あと、時代的に児童虐待の問題について語られているのは珍しいのではないかな。
(カラマーゾフ家の兄弟たちも幼少時にネグレクトされていたエピソードあり)
アリョーシャと中学生たちのエピソードは、
初期の萩尾望都の絵柄がぴったり(他の箇所は現在の絵柄で可)。