<収録作品>
『薔薇くい姫』
『枯葉の寝床』『日曜日には僕は行かない』
エッセイを1、2編くらいしか読んだことないので全て初読。
『薔薇くい姫』は森茉莉最後の小説。
エッセイだろうという話もあるが、
出てくる人物は全て変名にしているので
私小説扱いなんだろな。この話は読みやすいし、
本当の賢さとは何かという考えを喚起させる内容だ。
その他の二編は完全にフィクション小説。
一言で言うと、どちらも美少年&美青年の恋愛小説で、
どちらも悲劇的ななエピソードが入り込んでいる内容。
日本の東京が舞台(ついでに昭和30年代)なのに、
欧米風な豪華な服や小物、主要登場人物は
欧米人の血を引いている風貌だったり。
いろいろな文章で読んでいるので推測はついていたけれど
実際に読んでみて、本描写は丁寧で緻密な美しさがあるけれど
すごく濃い内容にむせかえった。
このゴージャスな世界を書くために
同性同士にさせているのはなんとなくわかるな。
まあ、少女だと両性具有なイメージで書きにくそうな気はした。
あと一冊読む予定。