輝く断片

シオドア・スタージョン/著 大森望/編 河出書房新社

<収録作品>

『取り替え子』『ミドリザルとの情事』『旅する巌』

『君微笑めば』『ニュースの時間です』『マエストロを殺せ』

『ルウェリンの犯罪』『輝く断片』

最近お気に入りの奇想コレクションよりです。

まあ、クセが強い作家だね、スタージョン

前回読んだ『ヴィーナス・プラスX』もそうだけど。

今回収録分はSFというよりもミステリに近いのも多いかな。

時間があるので、一作ずつの思った事書いてみる。

-------------------

『取り替え子』これは純粋に笑えた話でした。

西洋の赤ん坊とすり替わる妖精がいい味しとるです。

『ミドリザルとの情事』

フリッツがむかつくわーというか、スタージョンはこういう

権力的独善的偽善者男が嫌いみたいだね。

ミドリザルってなんだ? と思ったらフリッツの

上から目線的偽善セリフで明らかに。

『旅する巌』

本収録中でSFらしいSF。アメリカの出版社エージェントの

存在が今までわかりにくかったのを、わかりやすく説明してくれてたよ。

『君微笑めば』

これもむかつく男が出てくるわー。ということで、

こてんぱなラストは爽快でした。一応SFもの。

『ニュースの時間です』

不思議話だよな。ふとしたことで狂った男のお話。

このアイデアあげた(ネタがねえというスタージョン

26本も提供したそうな)ハイラインはいい人確定。

『マエストロを殺せ』

昔の『死ね、名演奏家死ね!』のタイトルの方がいいかもです。

ジャズバンドだから、マエストロってどうよ?

全てを持つ男に対する、憧憬・嫉妬等が吹き出して殺人を

起こしたフルークにはね返ってみたものの衝撃は凄い。

『ルウェリンの犯罪』

これは、お笑い話だったなあ。でもルル可哀想。

『輝く断片』

うわあ、せつない……。監禁サイコ話なのに。

よくあるオチなのに。

全然関係ないんだけど、ヘンリー・ダーガーを連想させるんだよなあ。

ヴィヴィアンガールズの絵が観たくなった……。