獄窓記

山本譲司/著 新潮文庫

ノンフィクション。

2005年にドラマ化されたそうだけど未見。

2000年に秘書給与搾取事件で実刑判決を受けて

刑務所で過ごした元国会議員の著者による話。

名前に見覚えはあって、作中で触れている

辻本清美の事件も記憶にあったけれど

そんなに前の話だったとは。

本作については、一般受刑者生活がメインというより、

今まであきらかにされていなかった

障害を持った受刑者の実態が書かれていて

国の福祉問題が明らかにされている。

これだけだと告発本で終わってしまいそうだけど、

出所後、著者が問題を解決するために

ホームヘルパーなど実際に介護福祉に関わりながら

ジャーナリストとしても活動しているそうだ。

読んで良かったので、続編も読む予定。

刑務所体験談といえば、

花輪和一の漫画『刑務所の中』で、

これはひどくのんきな印象を与えるのと対照的だと感じた。