光の雨

立松和平/著 新潮社

まずは雑誌連載当時、盗作問題で話題になったということで有名か。

一応、本編は書き直しをしたもの。

中は連合赤軍事件をベースにしたもので、

『十六の墓標』『あさま山荘1972』の著作が元。

『<盗作>の文学史』に詳細は書かれている。

死刑廃止になった2030年の近未来日本

元死刑囚だった玉井潔が、

死ぬ直前まで当時自分たちが何をしたのかを

予備校生の子供たちに語るという物語。

玉井の視点からの語りのみではなく

玉井の口を借りて別メンバー視点での語りになったりするのはともかく、

生き物ですらない銃の視点から語りだすのはびっくりした。

で、語りの内容はやはり元になっているものとほぼ同じなので

多視点という方法を使っているのに

別の見方ができる発見みたいなものはなかったな。