読書の記録_国外作家あ行

ブラッカムの爆撃機

ロバート・アトキンソン ウェストール/著 金原瑞人/訳 岩波書店 <収録作品> 『ブラッカムの爆撃機』『チャス・マッギルの幽霊』『ぼくを作ったもの』 宮崎駿のまえがきあとがき漫画がおまけ収録されている。 彼好みの作品なのはとてもわかる。 児童書扱い…

紳士の黙約

ドン・ウィンズロウ/著 中山宥/訳 角川文庫 シリーズもの2作目だったらしい。 主人公の仲間たちが事件をきっかけに離れて行く つらい展開あり。

ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

ポール・アダム/著 青木悦子/訳 創元推理文庫 謎はそれほどでもないのだが 雰囲気がおしゃれ。人が死ぬ部分だけ違和感が。

サトリ (上)(下)

ドン・ウィンズロウ/著 黒原敏行/訳 早川書房 元ネタの『シブミ』のあらすじは知っていたけれど その前日譚というのに驚き。 結末は予想できたが、スパイものというより 冒険ものとしてはとても面白かった。

ヴァイオリン職人の探求と推理

ポール・アダム/著 青木悦子/訳 創元推理文庫 イタリアが舞台で、登場人物もほぼイタリア人だが 作者はイギリス人らしい。 タイトルは内容そのまま示したもの。

ローズ・アンダーファイア

エリザベス・ウェイン/著 吉澤康子/訳 創元推理文庫 創作だけど戦争の過酷さがよく描かれている。 ローズ自身は強制収容所での生活は半年くらいだけど それでも気が遠くなるとおなキツさが感じられた。 本作ではあまり取り上げられない ポーランド人少女たち…

世界の中心で愛を叫んだけもの

ハーラン・エリスン/著 浅倉久志、伊藤典夫/訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『世界の中心で愛を叫んだけもの』『101号線の決闘』『不死鳥』 『眠れ、安らかに』『サンタ・クロース対スパイダー』『鈍いナイフで』 『ピトル・ポーウォブ課』『名前のない土地…

チェルノブイリの祈り

スベトラーナ・アレクシエービッチ/著 松本妙子/訳 岩波現代文庫 チェルノブイリ関係者の証言集。 事故被害の尋常のなさが何気なく語られている。 冒頭の何も知らずに消火活動して被曝して 二週間で死亡した消防士の妻の証言が突出している。

湖の男

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 派手さは全くなく、地味な作品であり 静謐な気持ちで読めた。 冷戦時代の社会主義国家の影響が アイスランドにも及んでいた陰鬱な歴史も書かれている。

戦争は女の顔をしていない

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ/著 三浦みどり/訳 岩波現代文庫 ノーベル賞作家のデビュー作。 第二次世界大戦の戦場第一線まで行って 戦ったかつての少女兵たちへのインタビュー。 もう生々しいのなんのって、戦争で心身ボロボロに なって戦後も苦労し…

フロスト始末 (上)(下)

R・D・ウィングフィールド/著 芹澤恵/訳 創元推理文庫 著者お亡くなりのためシリーズ完結。 死を予感されていたためかフロスト異動するかも という話が出てきたのだろうか。 前半で事件がどんどん増えてどう処理するの、というところから 後半で一気に片付け…

ダ・フォース (上)(下)

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーBOOKS ただの正義のヒーローではない ニューヨーク市警の名物刑事が、 ふとしたことでFBIのネズミになって とことん堕ちていくノワールもの。 街の権力者たちが皆腐敗にまみれていることが 徐々にわかっていく過…

コードネーム・ヴェリティ

エリザベス・ウェイン/著 吉澤康子/訳 創元推理文庫 こちらも第二次世界大戦、スパイ物。 一見、ナチスドイツに捕まった スコットランド人女性の手記なのだが 話が進むにつれて結構構造が複雑なのに気づく。 海外ではヤングアダルトものという位置付けらしい…

がんこなハマーシュタイン

ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー/著 丘沢静也/訳 晶文社 ナチスドイツに賛成しなかった 元陸軍最高司令官でハマーシュタインおよび その家族に関する伝記。 誰一人ナチスにならず、逮捕や処刑の危険もあったが 最後まで殺されずに済んだという珍しい…

特捜部Q―自撮りする女たち

ユッシ・エーズラ・オールスン/著 吉田奈保子/訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ まさにサブタイ通り。 自撮りに関してのカールの義母には笑えたが。 ローセがここまで病んでいたとは意外だったが 結末には明るさがあった。 今回の複数の事件が全て何らかの関…

潜入――モサド・エージェント

エフタ・ライチャー・アティル/著 山中朝晶/訳 ハヤカワ文庫NV イスラエルの国家スパイ組織である モサドに所属する女性スパイが遭遇する内幕もの。 実際の工作活動に入るまでが長めでそこが退屈だったが いざ活動開始からは結構面白かった。 彼女の活動をと…

銀河ヒッチハイク・ガイド

ダグラス・アダムス/著 安原和見/訳 河出文庫 ドタバタSF。 結構めまぐるしくてイギリス的ユーモアが ここかしかに散りばめられている。

海岸の女たち

トーヴェ・アルステルダール/著 久山葉子/訳 創元推理文庫 北欧ミステリなのに、北欧がほんの少ししか出ないし 主人公がアメリカ人女性。 アメリカ人が読んでみて、アメリカの描写など違和感ないのだろうか。 現代のヨーロッパにおける奴隷問題という 結構重…

わらの女

カトリーヌ・アルレー/著 安堂信也/訳 創元推理文庫 名作サスペンス小説。 現代だと無理ある設定な気もするが、 第二次世界大戦後の混乱期だったら可能な話かも。 物語の中盤から不安度アップ。

アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝

スティーブ・ウォズニアック/著 井口耕二/訳 ダイヤモンド社 ウォズがいい人な感じは出ているが あまり頭が良さそうな印象を受けない訳し方が気になった。 もう一人のスティーブであるジョブズと 正反対な性格なのはよく理解できた。

キャッツ・アイ

マーガレット・アトウッド/著 松田雅子、松田寿一、柴田千秋/訳 開文社出版 少女時代に受けたいじめのエピソードが リアルすぎで胸が痛くなった。 主人公が画家になる原点でもあるが。 いじめ以外の子ども時代の描写が とても生き生きしていて美しい。

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 ホテル内でクリスマス直前に起こった、ドアマン殺人事件。 話が進むにつれて、被害者の悲しい過去が明らかになるのと並行して 前作から続いているエーレンデュル捜査官と娘との 問題と、彼の子…

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史: 3 帝国の緩やかな黄昏

オリバー・ストーン、ピーター・カズニック/著 金子浩、柴田裕之、夏目大/訳 早川書房 オバマ政権まで。 とても読みづらかったが、なんとかシリーズ読了。 アメリカが誇示する アメリカの正義とは何か考えさせられた。

夜の庭師

ジョナサン・オージエ/著 山田順子/訳 創元推理文庫 ディズニー映画化決定とのこと。 残酷なシーンがある部分はぼやかした実写になるのだろうか? 分類としてはゴーストファンタジーで タイトルになっている「夜の庭師」や屋敷自体が不気味。 話の構成は王道…

背信の都 (上)(下)

ジェイムズ・エルロイ/著 佐々田雅子/訳 文藝春秋 LA新四部作開始。 この話が過去刊行作で最も古い時代を扱っている。 いつものごとく入り組んだ内容だがなんとかついていけたが、 日系人家族の死に方や文化的なものが 実際の日本人というよりもファンタジー…

グラーグ―ソ連集中収容所の歴史

アン・アプルボーム/著 川上洸/訳 白水社 旧ソ連時代の、グラーグこと強制労働収容所の歴史。 ナチスドイツのユダヤ人に対する死の収容所に近いものがある。 普通の市民の人が政治犯として送り込まれたり、 その家族は「敵の家族」扱いされてたりの 実情が細…

ケインとアベル (上)(下)

ジェフリー・アーチャー/著 永井淳/訳 新潮文庫 運命的な二人を巡って20世紀半ばまでの アメリカの歴史も語られている。 王道な感じな話だがテンポ良くて今読んでも面白い。

クロックワーク・ロケット

グレッグ・イーガン/著 山岸真、中村融/訳 早川書房 回転物理学ってなんぞ? 相対性理論も全くわからないし、とはあるが 物理学が全くわからなくても物語の面白さは損なわれない。 本当は理解している方がもっと面白く感じそうなのだが。

タイガーズ・ワイフ

テア・オブレヒト/著 藤井光/訳 新潮社 バルカン半島を舞台にした幻想的な物語。 虎の嫁の話、不死身の男の話など 面白い題材があるがごちゃっとしていて なんだか物語に入り込めなかった、残念。

僕らは、ワーキング・プー

アントニオ・インコルバイア アレッサンドロ・リマッサ/著 アンフィニジャパンプロジェクト/訳 世界文化社 イタリアも大学を卒業しても 正社員に就けない若者たちの実態を書いた小説。 日本と変わらない部分もあるが、本作は10年前の話である。 現在はもう少…