読書の記録_国外作家は行

死者の季節 (上)(下)

デヴィッド・ヒューソン/著 山本やよい/訳 ランダムハウス講談社文庫 しょぼくれたおっさんと颯爽として前途ある若者の 刑事コンビが活躍する警察小説と思いきや、 途中でショッキングな展開へ。

レギュレイターズ

リチャード・バックマン/著 山田順子/訳 新潮社 リチャード・バックマンの「遺作」。 子供の悪夢のような世界かつ パニック的シチュエーションの連続。 一斉銃撃されたときに、通りに窓が面する一軒家だと 逃げられる部屋がほとんどないのは、確かに。

ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊

誉田哲也/著 中公文庫 前作から2と3がなかなか読めなくて 歌舞伎町セブンを読んでしまっているのが あの登場人物が犯罪者へ堕ちていく過程が ここから読めるのであった。 また、ジウの過去が少し語られている。

虎狼

モー・ヘイダー/著 北野寿美枝訳 早川書房 一家監禁事件が発生するが 話が進むうちに妙なことになっている。 キャフェリー警部の子どもの頃に誘拐された兄に ついて結構衝撃な話が。

人形(ひとがた)

モー・ヘイダー/著 北野寿美枝/訳 早川書房 精神科医療施設を舞台にした サスペンスミステリ。 結構怖い展開になりそうだったが途中で 思わぬ方向に行っていい意味で驚いた。

眠る狼

グレン・エリック・ハミルトン/著 山中朝晶/訳 ハヤカワ文庫NV 出だしから終わりまで破城なしの物語。 泥棒の祖父からの手紙をきっかけに 故郷へ戻った陸軍軍人の主人公が 事件に巻き込まれる。

拳銃使いの娘

ジョーダン・ハーパー/著 鈴木恵/訳 早川書房 娘が覚悟を決めたところから、話は大きく動く。 そこからは結構面白かった。 父親の生業が拳銃強盗とはいえ あまり「拳銃使い」といったイメージではなかった。

夜は終わらない

ジョージ・ペレケーノス/著 横山啓明/訳 早川書房 回文殺人事件については、犯人はこの人物かなという 暗示ぽいのがあってはっきり結論はない。 現代編の人物ドラマの方がメインだが それぞれ登場人物の物語が面白かった。

黒い瞳のブロンド

ベンジャミン・ブラック/著 小鷹信光/訳 早川書房 チャンドラー遺族公認の、フィリップ・マーロウもの。 『ロング・グッドバイ』の続編とされているが 登場人物を総動員させて、扱いはそれでいいのかな? パスティーシュとしては楽しめた。

ジェーン・スティールの告白

リンジー・フェイ/著 川副智子/訳 早川書房 『ジェーン・エア』を下敷きしているのも楽しいが 主人公が殺人者なのに応援したくなる設定なのが これまた楽しい。まあ司法側捜査が結構杜撰なのだが。

呼び出された男―スウェーデン・ミステリ傑作集―

ヨン=ヘンリ・ホルムベリ/編 ヘレンハルメ美穂/他訳 早川書房 <収録作品> 『再会』トーヴェ・アルステルダール/著 颯田あきら/訳 『自分の髪が好きな男』シッラ・ボリリンド、ロルフ・ボリリンド/著 渡邉勇夫/訳 『現実にはない』オーケ・エドヴァルドソン…

歌舞伎町ゲノム

誉田哲也/著 中央公論新社 歌舞伎町セブンの連作短編集。 メンバーが前作で欠けてしまったが 本作で掃除屋シンちゃんがセブンメンバーになった。 シンちゃんの役割がプロだけど一番大変そう。 話は短編といえ、しっかり進んでいた。

ディミター

ウィリアム・ピーター・ブラッティ/著 白石朗/訳 創元推理文庫 『エクソシスト』の原作&脚本で 有名な著者のミステリもの。 1973、1974年のアルバニア、イスラエルで起こる 宗教がらみの殺人事件。 神秘体験などオカルトぽさもありながらも 最後はきちんと…

隣人ヒトラー

エドガー・フォイヒトヴァンガー/著 平野暁人/訳 岩波書店 幼少時にヒトラーの家の向かいに住んでいた 著者の小説風回想録。 子ども目線から見た10年ほどの ドイツの悪夢の歴史が書かれているのが珍しい。 なお著者は第二次世界大戦直前に 家族でイギリスに…

ジャネット・フィッチ/著 杉奈穂/訳 講談社文庫 母親が殺人を犯したため、いろいろな里親家庭を 転々する主人公の成長譚。 アメリカって里親になれる家庭の基準が ゆるすぎるのではと感じた。 里子を育てる名目で補助金が出るのかな。

カンボジア 運命の門

フランソワ・ビゾ/著 中原毅志/訳 講談社 映画にもなったノンフィクション。 フランス人であり民族学者という立場から見た 当時のカンボジアのクメール・ルージュ体制下が 生々しく描かれている。

セミオーシス

スー・バーク/著 水越真麻/訳 ハヤカワSF文庫 荒れ果てた地球を脱出して 新たな惑星へ移住をする人類の物語。 となると古い設定な感じであるが、 各世代ごとが出会う、知的植物や先住移民の異星人などとの ファーストコンタクトとその後の交流などの 描写に…

崩壊家族

リンウッド・バークレイ/著 高山祥子/訳 ヴィレッジブックス タイトルはたぶん過去作品のタイトルと 関連付けしている風で強引さがある。 崩壊は結局してないし。 市長がどうしようもないクズだけど なぜか憎めない。

ぼくを忘れないで

ネイサン・ファイラー/著 古草秀子/訳 東京創元社 東京創元社から発行だが、内容は純文学。 主人公の病気のせいか記述された内容や時系列に 危うさがあう。最後の読後感は案外悪くない。

見知らぬ顔

アン・ペリー/著 吉澤康子/訳 創元推理文庫) ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした歴史ミステリ。 主人公がのっけから記憶喪失で それを悟られないように必死で大変。 事件の結末はあっけないが それまでの過程でのロンドンのスラム街や クルミア戦争の過酷な…

真夜中への挨拶

レジナルド・ヒル/著 松下祥子/訳 早川書房 一見に自殺に見えるが自殺ではないかも、 ととある家族に踏み込んでいく。 イギリス的かなと思いきや意外にも国際的な 話へ広がっている。

トム・ハザードの止まらない時間

マット・ヘイグ/著 大谷真弓/訳 早川書房 非常に年をとるのが遅い体質の トム・ハザードの人生。 苦労はしても捻くれたりもせずに 人生を歩む彼に転機が。 ラスト近くの展開にはびっくり。

隣接界

クリストファー・プリースト/著 古沢嘉通、幹遙子/訳 早川書房 今までの集大成作品らしく、 なんだか過去作品に出てきたような話がちらほら。 手品師が出てくるとなんだか嬉しい。 とにかくも不思議世界観な小説なので 身を委ねて読むしかなかった。

ベウラの頂

レジナルド・ヒル/著 秋津知子/訳 早川書房 つい『ベウラの頃』と誤読をしてしまう。 村で起こった女児連続誘拐事件が 15年たった後再開してしまう。 これと並行してパスコーの娘が重病になって 子どもを思う親の辛さ的なものが話全体にかかっている。

アイ・コレクター

セバスチャン・フィツェック/著 小津薫/訳 早川書房 ページが逆順になっているが、話は普通に進んで 少しややこしい? 事件解決までのリミットへ向けている演出なためか。 主人公の元刑事で新聞記者が、独断で事件を追っているが 味方がほとんどいないうえに…

午前零時のフーガ

レジナルド・ヒル/著 松下祥子/訳 早川書房 仕事復帰したてのダルジールの リハビリ事件といったところか。 事件自体が24時間内で解決されるが ダルジールにとっては長い1日だったのでは。

死の笑話集

レジナルド・ヒル/著 松下祥子/訳 早川書房 分厚いけど気にならなく読めた。 主に三つのストーリーが軸に進んでいくが どれも無駄なく収束されている。 主要人物が安定されているためか フラニー・ルートが魅力的になってきている。

死は万病を癒す薬

レジナルド・ヒル/著 松下祥子/訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 前作、テロで巻き込まれて傷病人となった ダルジールが療養先で事件に巻き込まれる。 最初元気があまりなかったが後半は元に戻っていった ダルジールに安心。話は長いけどあまり気にならなか…

ジュリー&ジュリア

ジュリー・パウエル/著 富永和子/訳 イソラ文庫 今のブログ書籍化の走り。 1960年代に発行された フランス料理本を作成するプロジェクトだが、 料理が全然美味しそうでなかった。 主人公が奮闘しているが翻訳の口調がわざとらしい。

ダーウィンの使者 (上)(下)

グレッグ・ベア/著 大森望/訳 早川書房 世界中で新人類? な赤ん坊が生まれるまでの 流産続きとなる現象が気味が悪く続くが それでも産もうと頑張る母は強しか。 赤ん坊誕生を経てその両親まで進化に合わせて 見た目が変わっていくというのが興味深かった。