読書の記録_国外作家は行

カタリーナ・コード

ヨルン・リーエル・ホルスト/著 中谷友紀子/訳 小学館文庫 ノルウェーの警察小説。 ヴィスティング警部シリーズものだが 日本で出版されている作品はバラバラ。 主人公ヴィスティングは警察側で 彼の娘はマスコミ側として未解決事件を追う物語。

第八の探偵

アレックス・パヴェージ/著 鈴木恵/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1940年代に私家出版された 短編ミステリ集が各章でも紹介され その作家と編集者がその作品について語る。 構成は変わっているし作中作は風変わりな内容。

ヒロシマを暴いた男

レスリー・M・M・ブルーム/著 高山祥子/訳 集英社 1946年8月の『ニューヨーカー』誌にて 政府が隠蔽していた広島原爆被害の真実暴いた ジャーナリスト、ジョン・ハーシーのノンフィクション。 アメリカが原爆について情報規制していたのは知っていたが 一年…

その裁きは死

アンソニー・ホロヴィッツ/著 山田蘭/訳 創元推理文庫 元刑事ホーソーンシリーズ2作目。 弁護士殺害事件を追う。 事件解決のトリックなどは王道な本格ものでは。 容疑者の一人がアンノという名前の日本人が登場している。 著者は島田荘司の『斜め屋敷の犯罪…

見習い警官殺し (上)(下)

レイフ・GW・ペーション/著 久山葉子/訳 創元推理文庫 スウェーデン・ミステリ。 事件やその結末については実際の事件ぽい流れで構成している。 DNA提供数の多さにびっくり。北欧っぽい? 殺人事件の名前を女性のファーストネーム (本作も現代だと「リンダ…

メインテーマは殺人

アンソニー・ホロヴィッツ/著 山田蘭/訳 創元推理文庫 事件の謎を追う癖の強い元警部。 その助手と書き手に選ばれたのが著者自身という ホームズっぽい探偵物語。 作中のホロヴィッツの経歴などは本当ぽい。

EQMM90年代ベスト・ミステリー 夜汽車はバビロンへ

ジャネットハッチングス/編 深町真理子ほか/訳 扶桑社ミステリー 『ホール・イン・ツー』ラルフ・マキナニー 『引きまわし』アンドリュー・ヴァクス 『銀幕のスター』ジャニス・ロウ 『名もなき墓』ジョージ・C・チェスブロ 『衣装』ルース・レンデル 『石の…

オランダの文豪が見た大正の日本

ルイク・ペールス/著 國森由美子/訳 作品社 日本では翻訳がされてないため無名な作家だが、 ヨーロッパではベル・エポック時代に一世を風靡する作家とのこと。 関東大震災前の大正時代に日本を訪れた 外国人の手記は珍しいらしい。 長崎から日光までを旅して…

カリ・モーラ

トマスハリス著 高見浩/訳 新潮文庫 ハンニバル・レクター博士シリーズ完結後の作品。 タイトルは主人公の女性の名前。 元チリの少女兵出身という過去を持つ アメリカへ移民し獣医になりたいという背景がある。 犯罪一味との対決などアクションがテンポ良い…

ナチス狩り

ハワード・ブラム/著 大久保寛/訳 新潮文庫 タイトルと中身がちょっと違う気がする ノンフィクションもの。 第二次世界大戦時にイギリス軍として参加していた ユダヤ旅団(パレスチナ在住のユダヤ人が所属)の記録。 戦時中部分は活躍少なく、むしろ戦後にな…

探偵は女手ひとつ

深町秋生/著 光文社 山形が舞台で当たり前だけど 山形弁バリバリな連作短編集。 タイトルどおり、元警察官で探偵業をしている シングルマザーが主人公。 今まで読んだ深町作品に比べると すごくハートウォーミングな内容であった。 暴力シーンは結構あるのだ…

殺す鳥

ジョアンナ・ハインズ/著 神林美和/訳 創元推理文庫 英国ミステリ。 家族問題のサスペンスといったところ? 犯人探しとしては、 一どんでん返しありそうでそのとおりだった。

われらの独立を記念し

スミス・ヘンダースン/著 鈴木恵/訳 早川書房 レーガンが大統領就任した1980年代前半、 片田舎に住むソーシャルワーカーの生活を描く。 ソーシャルワーカーのピートは お役所的ではなく、自分の娘が家出した状態でも 困った人々のために奔走する。

レストラン「ドイツ亭」

アネッテ・ヘス/著 森内薫/訳 河出書房新社 1963年実際に行われた「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」を ベースとしたフィクション。 20年前近く前にあったナチスドイツのことを 忘れたい人々、何があったか真実を知りたい人々など 様々な思いが書かれて…

凍える街

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 読む順序間違えてしまった。 『ホテル1222』の前作。 主人公のハンネがオスロ警察の現役警部で 実は『ホテル1222』で本作のラストがネタバレされているのだった。

ホテル1222

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 ノルウェーミステリ。 吹雪で閉じ込められたホテル1222にての クローズドサークル物。 謎解きというよりノルウェー社会派ミステリという感じ。 主人公のハンナの属性が、 元警部の女性で、同性愛者で、子持ちで …

消滅した国の刑事

ヴォルフラム・フライシュハウアー/著 北川和代/訳 創元推理文庫 旧東独出身の老刑事が、謎の変死体事件に関わる。 ドイツ統一後のベルリンの闇が描かれている。 事件の真相については 本格ミステリ十戒に反したものだった。 いや、本書は本格ミステリじゃな…

漆黒の森

ペトラ・ブッシュ/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 タイトルがドイツらしさある ドイツ推理作家協会賞新人賞を受賞作。 田舎の閉塞感が凝縮されて なんとも息苦しい。

背中の蜘蛛

誉田哲也/著 双葉社 単発の警察小説だが、 サイバー犯罪ものを扱っているのは本作初めてか。 スマホなどアプリで使用した個人情報が 海外へ流されているという怖さはすでに現実にあるが 国内でも監視社会風に情報が扱われ始めているという警鐘にもなるのか。…

サイコブレイカー

セバスチャン・フィツェック/著 赤根洋子/訳 柏書房 謎のカルテを読まされる実験。 入れ子構造の物語だが なんでその視点で書かれたのかは納得いかなかった。 謎が完全に解決されないためか すっきりしない結末。

第三帝国を旅した人々

ジュリア・ボイド/著 園部哲/訳 白水社 第一次世界大戦直後から、第二次世界大戦終了まで ドイツを訪問もしくは在住していた外国人の手記を 時系列でまとめたもの。 複数人物多すぎなためかテーマは大変興味深いのに 分散した印象もある。

満潮〈上〉〈下〉

シッラ&ロルフ・ボリリンド/著 久山葉子/訳 創元推理文庫 スウェーデンミステリ。 福祉国家といいつつも、ホームレスがいて かつ彼らを暴行して動画をアップする若者たちがいる。 事件を追う主な登場人物3人が癖が強すぎる上 いろんな設定を盛り込んでいて …

前世療法

セバスチャン・フィツェック/著 赤根洋子/訳 柏書房 毎度ハラハラさせられるが 今回は過去作よりは若干落ち着いているかも。 前世のトリックが真犯人と連動しているなど 謎解きとしてもしっかりしている。

マイ・シスター、シリアルキラー

オインカン・ブレイスウェイト/著 粟飯原文子/訳 早川書房 タイトルどおり、 妹が付き合っている彼氏を毎度殺して、 それを姉がその隠蔽を手伝うという ブラック・コメディ風なナイジェリア中編小説。 過去の事情も関連しつつ 姉妹どちらも性格がぶっ壊れて…

ラジオ・キラー

セバスチャン・フィツェック/著 赤根洋子/訳 柏書房 サイコスリラー。 この著者の作品を読むのは2作目であるが、 文字通り読むとぐるぐるひっくり返されまくりで油断できない。 読後疲れる。

あの本は読まれているか

ラーラ・プレスコット/著 吉澤康子/訳 東京創元社 『ドクトル・ジバゴ』を使ってのスパイ戦争を背景に それに関わる女性たちの物語。 著者パステルナークの愛人オリガの人生は ほぼノンフィクションぽいが、パステルナークに関わったばかりに 強制収容所に2…

領主館の花嫁たち

クリスチアナ・ブランド/著 猪俣美江子/訳 創元推理文庫 19世紀半ばのイギリスを舞台にした家ホラー。 ホラーとしては、『ねじの回転』を連想させられたが、あまり怖くない。 むしろ人の嫉妬や我儘などのために 勝手に追いやられるクリスティーンが気の毒す…

治療島

セバスチャン・フィツェック/著 赤根洋子/訳 柏書房 ドイツのサイコサスペンスもの。 語り手が序盤で信頼できない人物だとは わかるけど話はぐいぐい引き込まれる。 とある人物はドイツ語わかると正体がわかりそう。 また真相が明らかになるとタイトルの意味…

晩夏の墜落

ノア・ホーリー/著 川副智子/訳 早川書房 プライベートジェット機が墜落し 助かった冴えない画家が真相を追う、 というサスペンスものかと思いきや 搭乗していた人々の墜落前の様々な人生ドラマが 書かれていて事件の真相はあっけなかった。 というか、最後…

占領都市 TOKYO YEAR ZERO II

デイヴィッド・ピース/著 酒井武志/訳 文藝春秋 様々な人々の視点で帝銀事件が語られる。 『藪の中』モチーフらしいので 結末は曖昧である。 前作もそうだが、独特文体なところが読みづらい。 今回は特に刑事の手帳部分が読みづらすぎて 飛ばしてしまった。…