女文士

林真理子 新潮文庫

面白く読めた……のだが、

ここ数日気分が下がりっぱなしで

落ち込んでいる状態だったので

読んでいる過程がつらかった。

つらいのに、次どうなるのだろうかという不安感で

読みきったようなものだ。

眞杉静枝みたいな生涯は絶対送りたくないと感じた。

彼女と似て非なる立場で登場する

宇野千代がすばらしく輝いて見えた。

でも、宇野千代にもなりたくない。

巻末に、最初に出てくる葬式で

公開された静枝の遺書の自筆が掲載されている。

活字で読んでも、異様に人に謝ってばかりの変な内容なのだが

自筆だと異様さが倍増されている。