2012-01-01から1年間の記事一覧

アフター・ザ・レッド

朝山実/著 角川書店 漫画『レッド』に影響を受けた、モデルの人物たちへのインタビュー集。 しかし、ここでインタビューされた人たち以外の元連合赤軍メンバーの大半は 未だに表向き語れないのだろうか。

オレンジだけが果物じゃない

ジャネット・ウィンターソン/著 岸本佐知子/訳 国書刊行会 著者の自伝小説。その中に寓話が挿入された構成。 ユニークな表現で子ども時代を書いているが、 実際は深刻な内容だなと思う。 宗教キ●ガイな母親および教会の人に育てられていたって 虐待ものだよ…

七十歳死亡法案、可決

垣谷美雨/著 幻冬舎 タイトルが重い、近未来日本IF小説。 重いテーマであるが、ある一家を中心に書かれていて 話の方向の予測がつきやすいためか案外サクサク読める。

わたしが出会った殺人者たち

佐木隆三/著 新潮社 無名(とっていいのかな?)犯罪者の話もあるが、 大体は誰もが知っている事件の死刑囚との話が多め。 直接対話しているものが多いがもっと深く切り込んでもよかったのでは。

俺物語!! 第1、2巻

アルコ 河原和音 集英社 一発ネタものかという危惧が正直あったが、 そんなこともなく意外にも王道恋愛ものじゃないかな。 主要登場が皆いい子で笑えるけどホロリとさせられるエピソードもあって バランスが良い。

トルコで私も考えた 第1、2巻

高橋由佳利 集英社文庫 3巻は売れ行き次第で出版するか決まるらしい。出版不況のせいかしら。 文庫版になって、文字が細かくて読むのが大変であるが、 その分読み返す回数が増えそう。 内容は20年くらい前のトルコ事情なので現代と違う部分も出てそうだが そ…

春はあけぼの月もなう空もなお

サメマチオ 宙出版 ラストの話が納得できないな…… という不満はあるが、全体は好きな方な内容である。 『枕草子』の原文と現代の生活を重ね合わすアイディアは好き。

俺はまだ本気出してないだけ 第5巻

青野春秋 小学館 完結。実写映画化ってマジですか? 宮田が途中でえらいことになっていて驚いた。 が、この漫画いきなり重い話も混じるんだよね。 唐突な終わり方のように感じたが、ラストのシズオの姿に笑った。

大奥 第8巻

よしながふみ 白泉社 9巻が12月発売の予告。あまりの早さにビビった。 そして8巻の厚みが嬉しい。最近の漫画って値段の割に薄過ぎなんで。 それは置いといて、家重の話が案外長いのね。並行して吉宗の話を書くためか。 田沼意次、平賀源内が登場で面白くなっ…

ぼおるぺん古事記(二) 地の巻

こうの史代 平凡社 大国主命の登場から国譲りの話までが収録。 何度も読むたびに新たな発見ができ、かつ内容の理解度が高まるのが 楽しい。1巻後半を復習すると、大国主命は須佐之男命の子孫なんだけど 正妻は須佐之男命の娘って……神だから気にしない?

シェル・コレクター

アンソニー・ドーア/著 岩本正恵/訳 新潮社 <収録作品> 『貝を集める人』『ハンターの妻』『たくさんのチャンス』 『長いあいだ、これはグリセルダの物語だった』『七月四日』 『世話係』『もつれた糸』『ムコンド 』 『ハンターの妻』はOヘンリー賞受賞作…

テルマエ・ロマエ 第5巻

ヤマザキマリ エンターブレイン 正直10巻以上にまでする話ではなく、少々飽きてはきているのだが そろそろ締めに入った? という展開なので最後までおつきあいしようかなと。

世にも奇妙な人体実験の歴史

トレヴァー・ノートン/著 赤根洋子/訳 文藝春秋 タイトルと「マッドサイエンティスト」の前ふりが 際物本を思わせる。が、自分自身の身体で人体実験をする 医者や科学者の話であって、彼らのおかげで今の科学の進歩があるんだなと思った。 でも真面目な本じ…

皆川博子作品精華 迷宮ミステリー編

皆川博子/著 白泉社 <収録作品> 『漕げよマイケル』『蜜の犬』『紅い弔旗』 『地獄の猟犬』『水底の祭り』『疫病船』 『火焰樹の下で』『私のいとしい鷹』『舟唄』 『反聖域』『夜の深い淵』『孤独より生まれ』 『ラプラスの悪魔』『黒塚』『春の滅び』 『…

風の谷のナウシカ 6、7巻

宮崎駿 徳間書店 7巻で完結。 ナウシカがどんどん人離れしていく様が凄い。生ける伝説。 6巻後半からナウシカの世界の秘密が明らかにされつつあり、 衝撃的な事実が明かされる。絶望なんだけどそれでも未来へ進むんだなあ。

金色の獣、彼方に向かう

恒川光太郎/著 双葉社 <収録作品> 『異神千夜』『風天孔参り』『森の神、夢に還る』 『金色の獣、彼方に向かう』 物語の時代もバラバラなので無関係な内容をまとめた短篇集のようだが、 内容は異世界と鼬が関連しているので、連作短篇といっていいのだろう…

ワーカーズ・ダイジェスト

津村記久子/著 集英社 <収録作品> 『ワーカーズ・ダイジェスト』『オノウエさんの不在』 どちらも仕事もので大阪が舞台なので 会話が大阪弁である。30代は確かに20代よりも疲れやすいな。 表題作の二人の佐藤さんに幸あれ。

悪の教典 (上)(下)

貴志祐介/著 文藝春秋 以下ネタバレ。 -----------------------

悪魔の寵児

横溝正史/著 角川文庫 昭和30年代の金田一耕助もの。東京23区内が舞台。 内容は表紙イラストのとおり、江戸川乱歩的エログロミステリだ。 戦後だから規制もなくエロが直接的なのでお子様向けでない。

こなもん屋馬子

田中啓文/著 実業之日本社 大阪が舞台の連作短篇集。粉もの食べたくなる。 人情も少しあるが、ハチャメチャお笑い度が高くて良かった。 馬子の正体はいったい何だったのだろう。

犬の心臓

ミハイル・A・ブルガーコフ/著 水野忠夫/訳 河出書房新社 旧ソ連では黙殺されていた作家の奇妙な物語。 死人の脳下垂体を移植された犬が人間化するという、凄く気味が悪い展開が ソ連設立直後のモスクワの人たちの生活と絡めて書いてある。 まだこの頃はブル…

東電OL症候群

佐野眞一/著 新潮社 司法の闇について書かれたルポ。 前作の第一審裁判で無罪になったゴビンダさんが、 直後に再拘留、二審無期懲役になるところから始まる。 (本書は2001年発行) ということは、今年(2012年)やっと釈放されネパールに帰国したから 10年以…

エースをねらえ! 8〜14巻

山本鈴美香 中公文庫 14巻で完結。 特に8〜10巻は重要な内容なので絶対飛ばせない。 涙なくして読めない……!! 後半はひろみが世界的プレイヤーとして羽ばたくための 特訓と試合の内容がメインである。 まだこの時代はウインブルドンは遠い存在だったのだなあ。

皆川博子作品精華 伝奇―時代小説編

皆川博子/著 日下三蔵/選 白泉社 <収録作品> 『沼太夫』『崖楼の珠』『朱鱗の家』 『傀儡谷』『闇彩の女掛』『朧神輿』 『水恋譜』『双笛』『孔雀の獄』 『繊夜』『寵蝶の歌』『葬蘰』 『俗謡・大和撫子怨み節』『渡し舟』『風の猫』 『土場浄瑠璃の』『泥…

身体のいいなり

内澤旬子/著 朝日新聞出版 乳がん闘病記のみならず、過去の病気ネタを書いた赤裸々エッセイ。 今はヨガで元気になったらしい。 虚弱体質といいつつバックパッカーしたり、 協力的ではない配偶者(その後離婚したらしいが)等に対してもやっとした。

八日目の蝉

角田光代/著 中央公論新社 不倫相手の赤ん坊を誘拐して 自分の子どもとして育てようとする女性の話が第一部。 誘拐された赤ん坊が大人になってからの話が第二部。 実際の事件を元にしているのが所々あるがいいのか? という部分もあるが、運命に翻弄されてい…

ほぼ日手帳 公式ガイドブック2013

ほぼ日刊イトイ新聞/編 マガジンハウス 本のサイズおよび装丁デザインが 過去のものからガラッと変わった。女性向けぽいのに ビジネスコーナーの手帳術コーナーにあったので浮いていた。 サイズが大きくなったのは、 カズンの実サイズがわからないという声で…

地下室の手記

ドストエフスキー/著 江川卓/訳 新潮文庫 19世紀なのに主人公が引き蘢り無職ていう 設定はすごいなあ。話自体はその主人公の 若い頃の過ち的なことの回想話だが。

西遊妖猿伝 西域篇 第4巻

諸星大二郎 講談社 塗りがアナログに戻ったのでなぜか安堵した。 サソリ女の章に入ったけどまだ街から出られないから なかなか旅が進まないのう。羊怪の件解決してないし。 アクションがサソリ女(なぜか未来的格好なの?)のおかげで凄いぞ。

プリティが多すぎる

大崎梢/著 文藝春秋 なぜかローティーンファッション雑誌の編集に異動になった 青年が四苦八苦するお仕事小説。 基本的に前向きな人がたくさん出てくるので、楽しく読める。 老舗出版社とされる千石社は新潮社がモデルなのかなと思ったり。