2022-01-01から1年間の記事一覧

流浪地球

劉慈欣/著 大森望、古市雅子/訳 KADOKAWA <収録作品>『流浪地球』『ミクロ紀元』『呑食者』『呪い5.0』『中国の太陽』『山』 表題作は映像化されていたためか長編かと思っていた。 太陽から離れて地球自体が宇宙船になるという発想が面白い。 他作品も、宇…

きのう何食べた? 第20巻

よしながふみ 講談社 20巻で15周年。 巻数が多い漫画は途中で飽きてくることもあるが 本作は作中人物と一緒に年を経ることができるためか そんなことない貴重な作品である。 ケンジがなぜ「シロさん」呼びなのかの謎が解明する。 でも人伝で知るのはいかがな…

天冥の標 3 アウレーリア一統

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ3作目は西暦2310年。 1作目の先祖や2作目の子孫が出てきて楽しくなってくる。 アウレーリアの先祖であるサー・アダムスが中心。 物語の軸はブレずに進むが、 本作では宇宙海賊との戦闘などのアクションが多め。

冥の標 2 救世群

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ2作目で、時代が201X年と現代に。 パラオの島から発生した謎の疫病。 世界中でパンデミックとなっていく流れが 現実世界のコロナウイルスの流行と似通ってることに驚異を覚えた。 冥王斑から生還した患者がずっと保菌者…

シャギー・ベイン

ダグラス・スチュアート/著 黒原敏行/訳 早川書房 2020年度ブッカー賞受賞作品。 1980年代イギリス労働階級の没落と 主人公のシャギーと母親アグネスの生活をが重なる。 シャギーが主役という扱いになっているようだが、 真の主役はアルコール依存症に陥るア…

妙なる技の乙女たち

小川一水/著 ポプラ社 SFお仕事連作短編集。 近未来のシンガポール沖にあるリンガ諸島で働く 日本出身もしくはルーツを持つ女性たちの物語。 お仕事小説なので失敗はしつつも前向きな女性たちが魅力的。 宇宙エレベーターと南の島という組み合わせが面白い。

その少年は語れない

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳 早川書房 リーガルミステリという体裁をとっているが、 弁護士ジェイと息子のルーベンの家族の物語といっていいかも。 ジェイは白人男性だが、ルーベンはベトナムからの養子という設定。 11年前の裁判事件以降は疎遠に…

ゴーストライター

ロバート・ハリス/著 熊谷千寿/訳 講談社文庫 2010年に映画化もされているらしい。 珍しく海外ミステリで訳者あとがきも解説もなかった。 イギリス元首相、アダム・ラングの回顧録の ゴーストライターになった「私」。 前任者が不審死をしているなど不穏なと…

煉獄の獅子たち

深町秋生/著 KADOKAWA 『ヘルドッグス 地獄の犬たち』が映画化するそうで その後の作品出てきるかと思ったら3部作完結していた。 シリーズ2作目。 地獄の次だから煉獄か。続編だけど前日譚。 ラストで確かに『ヘルドッグス』に続く内容になっている。

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉〈下〉

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 全10巻の大作。 パンデミックものの名作でもあるらしいとのことで読み出したが、 全然想像もつかない物語で吃驚。 主要登場人物がほとんど退場してしまうし。 まだ話は導入部分で伏線巻。 植民星・メニー・メニー・シープでの圧…

機龍警察 白骨街道

月村了衛/著 早川書房 機龍警察シリーズ6作目。 世界の紛争ものなど毎回ストーリーに関わっているが、 本作では実際の紛争地ミャンマーへ機龍兵搭乗員3人へ出向く。 白骨街道という言葉も納得する凄まじい内容。 ミャンマーだけではなく国内も連動して話が進…

路地裏のヒミコ

飴村行/著 文藝春秋 <収録作品> 『水銀のエンゼル』『路地裏のヒミコ』 中編収録。 久しぶりに飴村作品を読んだのだけど、 そうだった登場人物たちは大抵アクが強いのだった。 『水銀のエンゼル』が途中まで主人公がリア充で なにこれ? な違和感があった…

蔵書まるごと消失事件

イアン・サンソム/著 玉木亨/訳 創元推理文庫 図書館司書が主役で、移動図書館が出てくるという設定で 北アイルランドの片田舎が舞台ということで なんだかほのぼのとしたイメージのようだが 全然そんなことがなかった。 主人公がユダヤ人ということもあるせ…

偽りの銃弾

ハーランコーベン/著 田口俊樹、大谷瑠璃子/訳 小学館文庫 殺害されたはずの夫が監視カメラに映っている? という謎から姉の事件も繋がっているのではと 元特殊部隊パイロットの女性が調査を始める。 強い女性が主役でラストまで一気に読ませる。

化物園

恒川光太郎/著 中央公論新社 動物が絡む短編集のようだが、全体を読むと 「ケシヨウ」と呼ばれる化け物が全て絡んでいる。 最初は日常の中で起こる怪異といった話だったのが 話数を重ねるごとにファンタジー要素が大きくなって 幻想的な読後感を得る。

薪の結婚

ジョナサン・キャロル/著 市田泉/訳 創元推理文庫 前半はロマンス小説風な話で先が読めず。 ところが、とある登場人物が死亡したあたりから ジョナサン・キャロル流の悪夢世界の描写がすごくなる。 無意識でも他人を犠牲にする者=ヴァンパイアの定義などが…

血を分けた子ども

オクテイヴィア・E・バトラー/著 藤井光/訳 河出書房新社 <収録作品> 『血を分けた子ども』『夕方と、朝と、夜と』『近親者』『話す音』『交差点』『前向きな強迫観念』『書くという激情』『恩赦』『マーサ記』 何の気なしに読んだが、 生真面目なのだがデ…

ステイ・クロース

ハーラン・コーベン/著 田口俊樹/訳 ヴィレッジブックス アトランティックシティでの男性失踪がきっかけで 過去に同様の事件が何度も起きていることが判明。 ストリッパーの過去を持つ主婦が事件の鍵を持っているためか あらゆる方向から狙われるサスペンス。…

通信教育探偵ファイロ・ガッブ

エリス・パーカー・バトラー/著 平山雄一/訳 国書刊行会 通信教育で格闘技を学べるのだから 通信教育で探偵になる場合もある。 禁酒法時代のアメリカにて 壁紙職人兼探偵のファイロ・ガッブが活躍する連作短編集。 頭脳明晰ではなく偶然と幸運によって事件を…

世界でいちばん長い写真

誉田哲也/著 光文社 誉田作品においての青春成長もの。 仲が良い友達が転校してから無気力気味になった男子中学生が 360度パノラマ写真ができるカメラで ひまわり畑を撮影することをきっかけに世界が広がる。 主人公が「世界でいちばん長い写真」を撮るために…

プラネット・ウィズ 第8巻

水上悟志/著 少年画報社 こちらも完結。 もう少し短くまとめるかと思っていたが 8巻までいった。 アニメに沿った内容だったが 追加描写が多めで登場人物の心情や背景などが補完されている。

夢で見たあの子のために 第11巻

三部けい/著 KADOKAWA 完結。 「火の男」の最期が意外だったが、 一登に関しては予想どおりだった。 千里のその後は表紙どおりなのだろう。

天使の牙から

ジョナサン・キャロル/著 浅羽莢子/訳 創元推理文庫 生と死がテーマ。 訪れる死がどうやってくるか、不意打ち的な方法で 死神がやってくるのに慄く。 逃げ道がなく追い詰められていく感覚があるが ラストにわずかな希望な光がある。

おもちゃ 河井案里との対話

常井健一/著 文藝春秋 河井案里を知ったのは参院選買収事件が起きてネットでも炎上していたが、当時あまり関心は持っていなかった。だから、彼女のプロフィール自体など本作で初めて知った。本作は特に買収事件発覚・逮捕などを予測せず参院選当選前から話題…

原作屋稼業 お前はもう死んでいる?

武論尊/著 講談社 前知識もなく自伝小説かな? と思ったら 武論尊に弟子入りして漫画原作者を目指す男性が主人公の物語だった。 世間的に落ちこぼれサラリーマンだった主人公の奮闘と成長の物語ではあるが、 漫画原作そのものや出版業界の話は少ないので そ…

唇を閉ざせ〈上〉〈下〉

ハーラン・コーベン/著 佐藤耕士/訳 講談社文庫 死んだはずの妻からEメールが届いたことをきっかけに FBIや謎の組織に追われる主人公。 スピーディーで勢いある流れなので気にせず読めるが、 展開に無理があるところが所々。 ※ネタバレ含む 主人公が事件に巻…

うらんぼんの夜

川瀬七緒/著 朝日新聞出版 閉鎖的村ホラーのようで事件の結末はホラーでないミステリものだが、 ホラー的結末もあるというややこしい話。 主人公格の女子高生たちがなんのかんの逞しい。 村の年寄りが村の因襲にしがみついて 東京から来た家族を迫害している…

ヨハネスブルグの天使たち

宮内悠介/著 早川書房 近未来、「歌姫」と呼ばれる日本製のDX9という 美少女ロボットを軸にして世界各国を舞台にした連作短編集。 著者がニューヨーク育ちだったためか 9・11事件に大きな影響を受けているようだ。

西遊妖猿伝 西域篇 火焔山の章 第4巻

諸星大二郎 講談社 牛魔王の話は一旦終わったのか そうでないのかがよくわからないまま続く。 とはいえ火焔山の話は続きそうな気がする。 絵が荒れていて子どもキャラの区別が つきづらいのが気になる。

蜂の巣にキス

ジョナサン・キャロル/著 浅羽莢子/訳 創元推理文庫 人気作家が少年時代に遭遇した 未解決殺人事件を追う話。 作家のファンの女性のヤバさがどんどん明らかになったり 周囲の人々が殺されたりする。 キャロルの過去作品から、どんなバッドエンドになるかと …