読書の記録_国外作家ら・わ行

地下道の少女

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部シリーズ第4弾。 福祉国家といわれるスウェーデンなのに 都会の地下に親に捨てられたり虐待を受けて逃げ出した ストリートチルドレンがいると…

死刑囚

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部シリーズ第三弾。 死刑がない国にやってきた死刑囚の物語。 なぜ彼はアメリカからスウェーデンへ来ることが できたかの謎の肝であるが、結末…

ボックス21

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部二作目。 スウェーデンでの人身売買的売春事件と また重苦しいテーマ。 グレーンス警部の宿敵の犯罪者との事件と並行して 話が進むが最後まで…

雪の女

レーナ・レヘトライネン/著 古市真由美/訳 創元推理文庫 フィンランドミステリ。 北欧ものでもフィンランドものは翻訳少ないか。 時代は1990年代で女性刑事が主人公。 北欧って男女均等なイメージだが この作品では差別や迫害を受ける女性が多いためか 旧弊…

制裁

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 スウェーデンミステリ。 グレーンス警部シリーズ一作目。 といってもグレーンス警部はそれほど目立っておらず、 被害者の父親の方が主人公っぽい。 死刑制度…

スパイはいまも謀略の地に

ジョン・ル・カレ/著 加賀山卓朗/訳 早川書房 21世紀のスパイの世界。 昔のル・カレ作品よりは読みやすい。 最後の出し抜いた後どうなるかは気になる。

ユドルフォ城の怪奇 上・下

アン・ラドクリフ/著 三馬志伸/訳 作品社 1794年に発表されたゴシック小説の開祖的作品。 雰囲気が最高。 著者はイギリス人だが、作品はフランスとイタリアが舞台。 ロマンスとホラー要素関係以外の謎については 予想どおりであったが、 ホラー要素部分が一…

房思琪の初恋の楽園

林奕含/著 泉京鹿/訳 白水社 台湾の「実話を元にした小説である」小説。 タイトルだと爽やか青春物語を連想させられるが 実際は13歳から性的虐待を受けた少女が 粉々に壊されるまでの地獄ストーリーだった。 また、少女と同じマンションに住む新婚の 妻が夫…

樹脂

エーネ・リール/著 枇谷玲子/訳 早川書房 デンマーク作家による物語。 ミステリのカテゴリーで出ているが 様々な要素が入っている。 主人公の少女が 大変な環境内で育っているのだが、不幸そうでないのがポイント。

姉妹の家 (上)(下)

シャルロッテ・リンク/著 園田みどり/訳 集英社文庫 ドイツ作家だけど、本作もイギリスが舞台。 大雪で閉じ込められた屋敷内で見つけた 20世紀初頭から現代までのとある女性の ドラマチックな人生の手記の秘密。

僕が死んだあの森

ピエール・ルメートル/著 橘明美/訳 文藝春秋 隣家の子どもをうっかり殺してしまった 12歳の少年アントワーヌ。 事件が発覚するかしないかハラハラしながら話が進む。

沈黙の果て 〈上〉〈下〉

シャルロッテ・リンク/著 浅井晶子/訳 創元推理文庫 ドイツの人気作家によるミステリ小説。 イギリスのヨークシャー地方にある 自然豊かな館で起こる残虐な事件。 犯人はすぐわかるけど、その動機や 事件が起こる経緯などが重い内容だった。

第四の館

R・A・ラファティ/著 柳下毅一郎/訳 国書刊行会 初期長編小説。 短編ではSFホラ吹きおじさんと称されたりとしているが 本書はホラというより狂気度が強かった。

人形遣い

ライナー・レフラー/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 連続猟奇殺人事件を追うサイコミステリもの。 サブタイトルが「事件分析官アーベル&クリスト」 なのでシリーズものを目指しているのかな。 でも1作目でロマンスも発生したり アーベルのつらい過去などのエピ…

三体III 死神永生 (上)(下)

劉慈欣/著 大森望、立原透耶、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功/訳 早川書房 三体三部作完結。 一章ごとで時代がどんどん進んでいき 宇宙どころかいろいろな次元世界までスケールが大きく なるほど、わからんな感じもあるが 一気に読ませる力があった。

運のいい日

バリー・ライガ/著 満園真木/訳 創元推理文庫 三部作の前日譚となる短編集。 ジャズだけでなく、コニーやハウイーを主人公にして 彼らから見たジャズの姿を書く。 中編となる表題作は、三部作内で都度触れられている G・ウィリアムズがビリーを逮捕した話の…

ラスト・ウィンター・マーダー

バリー・ライガ/著 満園真木/訳 創元推理文庫 三部作の三作目。 二作目ラストが次に続く! になって気をもたせたが ラストへ向けて一気に片がつく。 ジャズにとって厳しい現実を突きつけられるが コニーやハウイーなど周囲の人間関係に救いがあった。

さよなら、シリアルキラー

バリー・ライガ/著 満園真木/訳 創元推理文庫 三部作の一作目。 前回二作目から読んでしまったので 本作の内容が一部触れられていたということで 答え合わせや復習的な感じで読んだ。

殺人者たちの王

バリー・ライガ/著 満園真木/訳 創元推理文庫 三部作の二作目。 途中からでも大丈夫かなと思ったが 結構ガッツリ一作目とも関連強いではないか、 しまった。 しかも次巻に続くなラストという。

月の光 現代中国SFアンソロジー

ケン・リュウ/編 大森望、中原尚哉/他訳 早川書房 <収録作品> 『おやすみなさい、メランコリー』夏笳/著 中原尚哉/訳 『晋陽の雪』張冉/著 中原尚哉/訳 『壊れた星』糖匪/著 大谷真弓/訳 『潜水艇』『サリンジャーと朝鮮人』韓松/著 中原尚哉/訳 『さかさ…

兄弟の血―熊と踊れII (上)(下)

アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ/著 ヘレンハルメ美穂、鵜田良江/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 前作の強盗事件で逮捕された 三兄弟の長男、レオが出所するところから始まる。 でもレオが犯罪を続けようとする一方で 弟たちはまっとうに生き…

楽園の世捨て人

トーマス・リュダール/著 木村由利子/訳 早川書房 著者も主人公もデンマーク人なので 北欧ミステリなのだが、 舞台はスペインのカナリア諸島という一風変わった設定。 世捨て人と呼ばれる おじいちゃんタクシードライバーの主人公が なぜ乳児遺棄事件にこだ…

最悪の館

ローリー・レーダー=デイ/著 岩瀬徳子/訳 早川書房 ゲストハウスが全然見知らぬグループと ブッキングされるというのって辛いな。 しかもそこから殺人事件に巻き込まれていって、 さらに自分の辛い出来事の真相もわかってしまうとは。

三体2 黒暗森林 (上)(下)

三体2 黒暗森林 (上)(下) 劉慈欣/著 大森望、立原透耶、上原かおり、泊功/訳 早川書房 一作目よりも地球人類の危機が 具体的になってより話が盛り上がった。 物理学的用語が難しいので一作目も読み返す必要があったが。 三体人との知恵比べと対決シーン…

耽溺者

グレッグ・ルッカ/著 古沢嘉通/訳 講談社文庫 アティカス・コディアックのシリーズ番外編で 私立探偵ブリジット・ローガンが主役の話。 彼女の過去話が結構壮絶。 だからか他の人をぎりぎりのところまで 頼らない苦しい選択をしていた。

暗殺者

グレッグ・ルッカ/著 古沢嘉通/訳 講談社文庫 アティカス・コディアックのシリーズ三作目。 プロの暗殺者ジョン・ドゥの存在が不気味だが、 世界に名だたるだろう大企業が 暗殺者を雇うのかはどうなのだろうか? でもそれ言ったら話が成立しないのだが。

ラブラバ

エルモア・レナード/著 田口俊樹/訳 早川書房 おしゃれというか小粋なセリフのやりとりで進む。 映画女優がヒロインなためか話自体も映画っぽい。

ある子ども

ロイス・ローリー著 島津やよい訳 新評論 ギヴァー四部作の最終巻。 タイトルから察するとおり1作目の あの子どもが鍵となっていて最後の戦いが起こる。 でも母親のクレアの物語がむしろメインぽい。 途中で筋肉は裏切らない展開が出てくるとは。

奪回者

グレッグ・ルッカ/著 不二淑子訳 講談社文庫 いきなり途中作から読むが、 過去の話には触れられているようなので問題なし。 口が悪い女性たちは原文でも悪いのだろうか気になった。 元軍人で、プロのボディーガードの主人公だが、 視力が悪くてメガネをして…

虎の宴

リリー・ライト/著 真崎義博訳 早川書房 メキシコで発掘されたデスマスクを巡っての争奪戦。 あまり感情移入しにくい登場人物ばかりだったが 皆欲にまみれてるところはよし。