アジアの岸辺

トマス・M・ディッシュ/著 若島正/編

若島正浅倉久志伊藤典夫大久保寛・林雅代・渡辺佐智江/訳

国書刊行会

<収録作品>

『降りる』『争いのホネ』『リスの檻』

『リンダとダニエルとスパイク』『カサブランカ』『アジアの岸辺』

国旗掲揚』『死神と独身女』『黒猫』

『犯ルの惑星』『話にならない男』『本を読んだ男』

『第一回パフォーマンス芸術祭、於スローターロック戦場跡』

『いさましいちびのトースター』の作者の短編集。

(『いさましい~』の訳者、浅倉久志氏だ、そういえば。)

これまた不思議な味わいなSF小説ばかり。

んでもって、理不尽で意地悪な展開の話も多め。

不思議度は表題作の『アジアの岸辺』が最も高いです。

アジアとヨーロッパの境目のトルコに滞在した

アメリカ人の奇妙な体験と結末。

ここ数年、欧米小説から遠ざかっていたけれど、

久々に若島せんせいのセレクトと訳が読めたのが嬉しい。

でも若島せんせいってばー、

未来の人類は男性のみと女性のみの惑星に

別れて住んでおり、女性はある年齢になると別の惑星へ行って

男性に強姦されるが……というタイトルからしてアレな

『犯ルの惑星』を女性に訳させるんかい!