読書の記録_国内作家ま行

憧憬の先にあるもの

水鏡希人/著 メディアワークス文庫 一冊で完結しているとはいえ、 結構主要な登場人物が死亡したりして 容赦なかった。

新小岩パラダイス

又井健太/著 角川春樹事務所 新小岩ってカオス。 自由とお金どちらか大事かというのは ベタな話でありストーリーの結末も予想できたが 嫌いではない。

私が失敗した理由は

真梨幸子/著 講談社 作者の作品をいろいろ読んでいないと 楽しめない内容。 話が進むにつれて語り手がどんどん変わって、 殺人がどんどん起こってどこで決着をつけるか 想像もつかなかった。

悪の彼岸へ

宮内勝典/著 集英社 オウム真理教の地下鉄サリン事件直後に 上祐史浩と対談した話や 集団自殺で有名な人民寺院など カルト宗教との比較等など書かれた本。 直近はどんな意見を持っているかも気になったが ホームページなくなっているみたいで残念。

みずは無間

六冬和生/著 早川書房 ラノベ風表紙だが、まあ雰囲気は間違いない。 でも、女の子は20キロくらい細いぞと思う。 宇宙惑星探査機のAIが語り手というのに驚いたが AIの元となった透の過去が生々しい。 みずはが重すぎというかストーカーぶりがホラー。

歌うクジラ (上)(下)

村上龍/著 講談社 ディストピア的未来日本を舞台にしていて なんか『ガリバー旅行記』を連想させられる話だった。 なかなか読みづらいのはなぜか? 最終的に宇宙まで行ってしまう。

校閲ガール トルネード

宮木あや子/著 KADOKAWA シリーズはこれで完結かな? サブタイトルどおりトルネードばりな 勢いがある話だった。 いろいろ夢が叶う悦子だがそれをきっかけに 人生を見つめ直す。

黒面の狐

三津田信三/著 文藝春秋 戦後の混乱期。 という時代設定でないと発生しない 殺人事件、そのトリック。

U

皆川博子/著 文藝春秋 17世紀初頭のオスマン帝国と、第一次世界大戦時のドイツが舞台。 両方の時代を生きる不老の人物が登場する。 運命に翻弄される彼らであるが、 その背景が結構生々しかったりする。

汝を子に迎えん―人を殺めし汝なれど

松下竜一/著 河出書房新社 少年期まで家庭に恵まれず育ち、 連続殺人を犯して死刑囚となった青年を 養子に迎えた女性牧師を主役としたノンフィクション。 女性牧師は本当に高潔な心を持っているし 死刑制度については考えさせられるが、 被害者家族に関して…

異境の水都: 突変世界

森岡浩之/著 徳間文庫 前作『突変』の続編。 だけど、作品世界ではこちらの方が時系列では古い。 前作ではご近所のみ「突変」していたが、 本作では大阪の大半が「突変」と規模が大きい。 異世界の生き物との戦いよりも 老舗企業、新興宗教、愚連隊みたいな …

花闇

皆川博子/著 河出文庫 三代目 沢村田之助の生涯を 付き人の市川三すじを語り手として描写。 絢爛で退廃な世界観が皆川さんらしい。

不肖の息子―歴史に名を馳せた父たちの困惑

森下賢一/著 白水社 父親が偉大すぎというのもあるかもだが、 父親がその子供への子育て方針がおかしすぎが かなり多いため、息子たちがおかしくなってしまったような気が。

四〇一二号室

真梨幸子/著 幻冬舎 所沢に昔遊郭があったという昔話は 素直に興味深いが、 話はわかりづらい構成で誰が誰だか。

脱出老人

水谷竹秀/著 小学館 老後をフィリピンで過ごす人たちの様々な人生模様。 数年前の話なので、現在の治安不安の状況だと また変わっている部分があるだろう。 メイドつきで豊かに暮らす人からスラム街で現地人と一緒に 働く人など様々だが、孤独がつらい人には…

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人

森下香枝/著 朝日新聞社 10年前に発行された本だった。 当時の捜査資料は別件の事件での取材を通して グリコ・森永事件の犯人をあぶりだす。 ここで「真犯人」というか犯行グループの一人は 確かに事件の関係者ぽい感じ(本人が死亡しているので確証はないが…

九十九十九

舞城王太郎/著 講談社 清涼院流水の小説の登場人物の 九十九十九をモチーフにした話らしい。 美しすぎて顔を見た人は皆失神してしまうという 突拍子もない設定は、元からある設定らしい。 元ネタの清涼院流水の小説を読んでいた方がより 面白いのかもしれな…

淵の王

舞城王太郎/著 新潮社 三編からで二人称視点の話。 超常現象ぷらす異様な人間が出てくる。 「淵の王」は結局何を指したのだろう。

心はあなたのもとに

村上龍/著 文藝春秋 村上龍で純愛恋愛小説が 読めるとは。不倫ではあるけど 男側の家族が希薄だからあまり気にはならない。 風俗をきっかけなのは村上龍ぽいかもだけど。 糖尿病の種類があることや 2000年代前半のセレブの生活を垣間見ることが できるところ…

クロコダイル路地 全2

皆川博子/著 講談社 鰐の部分が幻想的だけど、 フランス革命の残虐さが生々しく伝わる。 とてもボリュームがある内容。

伯林蝋人形館

皆川博子/著 文藝春秋 第一次大戦後のドイツを舞台にし 複数人物の人生が語られそれが一つになり全体像が浮かび上がる。 敗戦したドイツの退廃的な雰囲気が 蝋人形館の幻想的な雰囲気とぴったりだ。

代書屋ミクラ

松崎有理/著 光文社 論文専門代書屋という、架空の仕事をしている 青年の物語。 主人公が女性に惚れっぽくて毎回失恋していて 話のパターンがほぼ同じ。

怒りていう、逃亡には非ず―日本赤軍コマンド泉水博の流転

松下竜一/著 河出書房新社 刑事犯からテロリストへの転身といった人生を 送った泉水博の数奇な半生が描かれている。

吉原手引草

松井今朝子/著 幻冬舎 直木賞受賞作品。 失踪した花魁、葛城の謎を追う聞き手が 関係していた人々に話を聞く形式で謎を解く時代小説もの。 聞き手なる人物が吉原初心者という設定なので 話を聞くついでに吉原とはどういうところなのかも 自然に説明されてい…

日本を捨てた男たち

水谷竹秀/著 集英社 サブタイトルが『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』。 日本を飛び出してフィリピンでホームレスもしくは それに近い生活をしてる日本人のルポ。 日本では生きづらかった人たちばかりだが 正直気の毒さよりも自分勝手…

ブエノスアイレスに消えた

グスタボ・マラホビッチ/著 宮崎真紀/訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 南米ミステリは珍しい、しかも分厚い。 娘がベビッシーターと共に行方不明になってからの 主人公の人生が悲惨というかきつい。 本作以降シリーズ化するらしいが、それだったら死ななく…

55歳からのハローライフ

村上龍/著 幻冬舎 <収録作品> 『結婚相談所』『空を飛ぶ夢をもう一度』『キャンピングカー』 『ペットロス』『トラベルヘルパー』 中編5作品。 タイトルが「ハローワーク」に空目してしまった。 豊かな老後を迎えるには遠ざかっている現代の50代の話。 結…

殺人出産

村田沙耶香/著 講談社 <収録作品> 『殺人出産』『トリプル』『清潔な結婚』『余命』 表題作のあらすじが、10人出産すると一人合法的に殺せる というショッキングな内容。実際の内容もそのとおりだが そんなことが容認されている社会の風潮のほうが不気味。

深夜百太郎 入口

舞城王太郎/著 ナナロク社 本作で前半部分だった。 調布と福井という舞台が交互に出て 奇妙というか恐怖の物語が1話ずつ収録。 後半は未読。

落語を聴かなくても人生は生きられる

松本尚久/編 ちくま文庫 挑戦的なタイトルな、落語に関する アンソロジー集。 ブログやTwitterも収録されているのが今風。